「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【質を高める】それに気づき始める企業、それを知らずに学ぶことのない政治

 

「人材の宝庫」、かつて元首相が自民党のことをそう称していましたが、それがたった数年で劣化したのでしょうか。宗教団体との関わりが問題視され、辞任した元大臣が、さっそく自民党で新たな役職に就いたそうです。

山際氏、自民党コロナ本部長に | ロイター

 山際氏は自民党新型コロナウイルス感染症対策本部長に就任し、党本部で開かれた合同会議で、新型コロナと共存する「ウィズコロナ」維持に向け「まだやらなければならないことがたくさんある」と述べたといいます。

 自民党とは国民感情を無視し、自らを顧みることもできない党になったということでしょうか。

 

 

 その宗教団体の問題を巡って、与野党4党が被害者救済に向け協議を始めましたが、いわゆるマインドコントロールによる高額献金を規制する新法制定に関しては、与党が今国会での法案提出を先送りする意向を表明したといいます。

 その関わりが一番色濃いとみられる党が、こうした行動をすれば、他者の目にどう映るかということを考えもしないのでしょうか。あきれるばかりの言動です。

 JIJI.comによると、与野党の主張の溝が埋まっておらず、「時間的に厳しければ、将来的な課題となるのはやむを得ない」と、自民党の責任者の若宮前消費者担当相が語ったそうです。

 ただその翌日の自民党の会合では、「一部報道で、与党側が『困難だからやらない』と報じられたが、まったく違う」と述べ、与野党で一致点を見いだすため努力を続けると強調したそうです。

 そうであるのなら、なぜ誤解を生むような行動するのか、甚だ疑問です。

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 顧客と従業員に真に向き合おうとする企業は、個々人と信頼し合える関係づくりを目指して、ガバナンスを簡素化し、働きやすい職場を作り、善き企業文化を醸成しようとします。移りゆく社会に企業を適合させることなのかもしれません。

 インターネット関連企業のラクスルは、「ローコンテクスト(言葉による表現を重視)文化」を重視し、「ジョブディスクリプション(職務定義書)」の導入しているといいます。シンプルかつ明瞭に表現された文書は、文化や価値観の違いで読み手に誤解を生じさせたり、他の解釈が生まれたりする余地がないといいます。

「企業は人に投資せず、個人も学ばない」を変えよう:日経ビジネス電子版

 価値観や文化などの違い、多様な人材が集まれば、ラクスルの施策は有効なことなのかもしれません。

「このドキュメントを読んで理解してください」
「プロダクトはこう理解してください」
「このような目標を設定し、この開発をこの期日までに行ってください」

(出所:日経ビジネス

 

 

「暗黙の了解」、日本社会に蔓延る悪しき習慣、相手の意見を十分に理解していないのに、「はい」と答える文化、こうした習慣に疑問を感じて、ラクスルは改革を進めていったそうです。

「社外学習・自己啓発を行っていない人」の割合も日本は国際的に極めて高い水準にあり、日本では「企業は人に投資せず、個人も学ばない」という憂慮すべき現状が明らかになりました。(出所:日経ビジネス

 これは経済産業省の未来人材会議が2022年5月に取りまとめた「未来人材ビジョン」に指摘された内容といいます。お膝元で良い提言をまとめているのではないでしょうか。

 こうした提言は、企業ばかりでなく、行政・政治においても同様ではないでしょうか。

「質」こそがチーム全体の信頼関係構築や部下の能力開発に直接影響を及ぼすと記事は指摘しています。

 議員さんの「質」とは何のでしょうか。また議員さん自身、「質」を高めるための努力をされているのでしょうか。まさか、それがなんてことはないことを祈るだけです。

 

 

論語に学ぶ

君子は食に飽くるを求むることなく、居(お)るに安きを求むること無し。

事に敏に、言に慎み、有道に就きて正す。

学を好むと謂う可(べ)きのみ。 (「学而第一」14)

dsupplying.hatenadiary.jp

「学を好む」というのは、理論を無視するのでは決してないが、それを内的にもてあそぶことではなく、理論をつつんで外にあらわれる自己の行動が「道」にかなっているかどうかを省察することといいます。

 北がまたミサイルを乱射しています。米国ではFRBがまた金利を大幅にあげました。難問が次々と降りかかってきます。今の政府の運営で大丈夫なのだろうかと心配になります。

  

「参考文書」

与党、「悪質寄付規制」の新法先送り 消費者契約法改正を優先:時事ドットコム

旧統一教会“宗教2世” 被害者救済法整備の今国会の実現求める | NHK | 旧統一教会