「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【友遠方より来る】 vol.3 思想のイノベーター 孔子

 

孔子は中国 春秋時代の思想家であり哲学者。そして、儒家の始祖。「論語」は孔子と彼の高弟の言行を孔子の死後、弟子達が記録した書物。

孔子の生まれは、なんと紀元前552年、今から2500年前の人。弟子が3000人程度いたといわれる。

有力な諸侯国が領域国家の形成へと向かい、人口の流動化と実力主義が横行して旧来の氏族共同体を基礎とする身分制秩序が解体されつつあった周末、魯国に生まれ、周初への復古を理想として身分制秩序の再編と仁道政治を掲げた。孔子の弟子たちは孔子の思想を奉じて教団を作り、戦国時代儒家となって諸子百家の一家をなした。孔子と弟子たちの語録は『論語』にまとめられた。 (出展:Wikipedia)  

 

 

 

孔子は中国思想界のイノベーター

私たちがこうして「論語」を読めるということは、孔子の存在抜きにしては語れない。イノベーターの定義は、繰り返しになるが、「革新者」、「新技術などの導入者」。当時の思想を一気に進めた孔子はイノベーターと言っても過言ではないのであろうか。

 

論語は、「友遠方より来る」で始まる。

 

『子曰わく、学んで時に之を習う、亦た説ばしからず乎(またよろこばしからずや)。

有朋遠方より来たる、亦た楽しからず乎。人知らずして慍らず(いからず)、亦た君子ならず乎。』 (「学而第一」1)

 

 一般的な現代語訳は、

習ったことを機会があるごとに復習し身につけていくことは、なんと喜ばしいことではないか。

友人が遠方からわざわざ私のために訪ねてきてくれることは、なんと嬉しいことでではないか。

他人が自分を認めてくれないからといって不平不満を言うことはありません。なんと徳のある人ではないか。

 この『論語』開巻第1章は、「学問の喜びについて述べたもので、学問を共に志すものは孤独ではない。必ず友が遠くからもやってきて、同じ道にいそしむ喜びが味わえるのだ」との解説もある。

学びとはまねること、習うとは繰り返し行うこと。

 一つの学説を知り、それにもとづいて他の本を読んでみたり、自然や社会の現象を解いてみたりする。そうしたことを繰り返していると、必ず友となる人もやってきて、同じ道を営む仲間となり、喜びを分かち合える。

 歴史的に見て、天才的な学者や芸術家があまりの独創性ですぐに社会に認められないこともあるように、自分の能力が早々に社会に認められないこともある。そうしたことに耐えて、はじめて独創性の芽が育っていく。

とは、私の解釈で、この文は孔子自身のことではないかと想像します。

 

 孔子は、詩や古典を読み、その専門家になり、それをもとに想像力(創造力)を働かせて、儒教というビジョンを得て、その道の専門家となっていった。

  

 孔子が生きた春秋時代と、現在のイスラエル地政学的にみて、同じ状況ではないでしょうか。周囲からの外圧を感じ、自分たちが生き残る術を自分たちで見出さなければならなかった。

 

環境が必然を生み、人を育て、人を集める。

そこからイノベーションが萌芽していく。

 

どんなに優れたアイデアであっても、それが実用化され、生活の中で利用されなければ、シーズのままでイノベーションになり得ません。

論語

この章を「小論語」と呼んだのは伊藤仁斎。この一章に「論語」の全精神が集約されているという。

dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子生きた時代を考慮し「学」を歴史的に読めば、学ぶとは「詩経」や「書経」などの古典を先生から読み聞かせられ、それを覚えこむこと、つまりまねびであり、「習」とはおそわった礼儀作法の実習であったのだろうかと、文学者の桑原武夫はいう。

 現代の私たちとしては、学ぶとは何かを知ることであり、習うとは知ったことを実際にやってみることという程度によんでおいてよかろう。 (引用:論語 桑原武夫 P8) 

 桑原はスキーを例えに、こうすれば回転できるということを学び知り、それを実際にやってみる、やってみて開店することに成功すれば、ああ、そうかと理解し喜びも生まれる。そうしたよろこびは、何かを本気で、うちこんでやってみたことのない人にはわからない境地であり、しかし、それはなんとも楽しいことではなかろうかと桑原はいう。

 

友遠方より来る

 孔子は、密室でひとりで学問する人ではなかった。そのことがこの章で明らかにされてるのかもしれない。

 勉強をしていると自ずと仲間ができる。その学友が遠いところからやって来る、そして談笑のうちに真実を探る。なんと楽しいことではないかと孔子がいったということなのかもしれない。

 

 

 孔子は思想にイノベーションを興し、彼のもとに3000人の弟子、同志を引き寄せた。そして、2500年の間、脈々と読み継がれる『論語』というムーブメントを作った。

新しい中心地 イスラエル

 かつて、シリコンバレーイノベーションの中心でありましたが、ここ最近は、イスラエル、深圳など世界各地に分散しはじまている。 

イスラエルがスタートアップの密度世界一で、ナスダックに上場している企業数で、ヨーロッパからの上場総数よりはるかに上回っている。

そして、多くのテクノロジー企業や世界的投資家がイスラエルに引き寄せられている。

 

アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?

アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?

 

 原題は、『Start up Nation -The Story of  ISRAEL's Economic Miracle.』 

 

 簡単にこの本を紹介すると、

この本の主題は、テクノロジーイノベーションそのものではありません。むしろ、イノベーションを生み出す風土、人材、教育や文化といった側面、そして、イノベーションを事業として、産業として育成していくうえでの諸条件について、イスラエルの多くのハイテク企業を例に多面的・多角的に紹介している。(本書 P341より抜粋)

 

 

専門家とは、例外なく過去の事実を語る専門家だ。これから起こる事象を語れる専門家はひとりもいない。』 

イスラエル初代首相 ダビッド・ベングリオン

これから生まれる未来についての専門家になるためには、経験に取って代われるビジョンが不可欠だ。  

(出所:アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか)

 

 今、多くの人がイスラエルに引き寄せられている。  

『アップルやグーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?』で、イノベーションの秘密をつぶさに感じることができる。

 

(参考文献)

論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

 

 f:id:dsupplying:20190720061654j:plain