「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【黙して之を識し、学びて厭わず、人に誨えて倦まず】 Vol.153

 

子曰わく、黙して之を識(しる)し、学びて厭わず、人に誨(おし)えて倦(う)まず。何か我に有らんや。(「述而第七」2)

  

(解説)

孔子の教え。黙って心に刻んで記憶し、学んで厭きるといことがなく、人に教えて倦むこともない。それらは、この私において問題はない。」論語 加地伸行

    

 

 桑原の解説

  「黙して」というのは、だまって、つまり理屈を言わないで、ということだが、「之れ」というのはおそらく礼楽のことをさすのであろうから、言語によらず身振りで「識す」、つまり覚えこむのであるという。そうした学習に飽きることがなく、そうして得たものを人に教えて倦むことがない。これは自分にとって自然なことだから、私としてはなんでもないことだ、いったとする。

 孔子はおだやかにそう述懐したのであって、もちろん威張っていったのではなかろうと言う。

 

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(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫