拡大を続けるコロナに恐怖を覚えるようになります。全国知事会が開催され、お盆の帰省を含め、夏休み中は原則として都道府県境をまたいだ移動を中止、延期とすることを呼び掛けるよう国に求める提言をまとめたといいます。そればかりでなく、感染防止対策の実効性を上げるため、強い措置としての「都市封鎖(ロックダウン)」の検討にも言及があったといいます。
勇を好むも貧を疾めば、乱る
その一方で、SNSでは反発や揶揄が相次いでいるといいます。
「勇を好むも貧を疾めば、乱る。人にして不仁なる、之を疾むこと已甚だしきときは、乱る」(「泰伯第八」10)といいます。
「乱」とは無秩序状態、叛乱のこと。
勇敢な行為を好むのは立派なことだが、そういう人が、貧しさに堪えられず、これを憎悪するようになると、必ず乱を引き起こすといいます。
また、人間性に背くような人がいて、その人間をあまり極端に憎悪、排斥するならば、その人は追い詰められてやはり乱を起こすことになるといいます。
政府は追い詰められているのでしょうか。再び全国レベルの緊急事態宣言なぞあるのでしょうか。そうすると、オリンピックとの整合性に問題が生じてしまうのでしょう。
国民みなから信頼され、優秀なカリスマリーダーが登場すれば、ことは収まるのかもしれませんが、期待できそうにもありません。国、地方の首長、野党などが超党派で協力すれば、もしかしたら問題解決に向かう可能性がありそうですが、これも難しいそうです。
吾之を観ることを欲せず
これ以上、事態が悪化することを望みませんし、見たくもありません。
「禘 既に灌してより而住は、吾之を観ることを欲せず」(「八佾第三」10)との言葉があります。
ここまでのことは正しいこととは言えないが、もう過ぎたことなので受け入れるしかない。しかし、これ以上、同じようなことが続くことはもう見たくという心中をよく表した言葉に聞こえます。
義を見て為さざるは、勇無きなり
世界各国でワクチンの接種率をあげようと様々な策が実行されているようです。
フランスではマクロン大統領が久々に演説し、その後、一気にワクチン接種の予約が進んだといいます。好まれる好まれない関係なしに必要な措置で行動変容に導いたのでしょうか。
「其の鬼に非ずして之を祭るは、諂うなり。義を見て為さざるは、勇無きなり」(「為政第二」24)といいます。
みなが「不義」と感じるようなことを続けていては収まるものも収まらないのでしょう。それを凌駕し、だれもが「義」と納得できる行動が求められています。
国はこの先どんな対応するのでしょうか。コロナの感染状況ばかりでなく、社会の雰囲気の悪化が気になります。手遅れにならぬよう早めの措置が必要ではないでしょうか。