「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

人格はどこに、見過ごされる不正行為、突出するTwitterの削除依頼他 ~ 炉辺閑話 #96

 

 米ツイッターが「透明性」に関する最新の報告書を公表したそうです。世界各国から寄せられたツイートの法的な削除請求(昨年1~6月)で、日本が最多の4割強を占めたといいます。

政府機関などによるツイートの法的削除請求、日本が最多 麻薬など:朝日新聞デジタル

 朝日新聞によれば、麻薬や薬物規制、わいせつ、金融犯罪に関連するものの削除要請が多かったといいます。それだけ悪用されるケースが多いのでしょうか。

 日本が他国よりも削除要請が多い理由が気になります。増える凶悪犯罪に捜査機関が目を光らせているのでしょうか。

 

 

メガソーラーに初の抜本的見直しの意見

 環境省が埼玉県小川町にメガソーラー発電所を設置する計画について、環境影響評価(環境アセスメント)に基づく意見を公表したといいます。

太陽光発電、環境相が初の見直し意見 土砂崩壊に懸念: 日本経済新聞

外部から大量の土砂を運び入れて盛り土を造成する計画に対して「抜本的見直しが必要」とした。

太陽光発電が環境アセスの対象になった2020年以来、抜本的見直しを求める意見を出すのは初めて。(出所:日本経済新聞

再生可能エネルギーは地域との共生が必要。環境配慮が不十分なら厳しく対応する」と、山口環境相が記者会見で述べたそうです。

 無秩序に乱開発繰り返される太陽光発電に対して歯止めをかけることはできるのでしょうか。善き先例になって欲しいものです。

 

 

 法に触れれば「不正」となるのでしょうが、引っ掛かからなければ「不正」とならず、問題にせずということが増えているように感じます。「正しさ」の危うさも感じます。

論語に学ぶ

「之を道(みちび)くに政を以てし、之を斉(ととの)うるに刑を以てすれば、民免(まねか)れて恥無し。之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥有りて且つ格(ただ)し」と、「為政第二」3にあります。

「行政を法制のみに依ったり、治安に刑罰のみを用いたりするのでは、民はその法制や刑罰にひっかかりさえしなければ何をしても大丈夫だとして、そのように振舞っても何ら恥ない。しかし、その逆に、行政を道徳に基づき、治安に世の規範を第一とすれば、心から不善を恥じて正しくなる」と解されます。dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子の指摘がよくわかります。大学入試で不正行為があったり、電車内で喫煙し、それを注意した高校生が暴行を受けた事件もありました。

 治安維持を「礼(規範、マナー)」をもってすれば、不正、正しくないことを恥じるようになり、そして、「格(ただ)しく」となるといいます。

「格」とは、もとは正しいとの意で、適格や合格のことばをなしています。また人格や格式というように他と比較して高いとされる程度を著します。

 孔子は「人格」を育てよと遠まわしに表現したのでしょうか。人格者であれば、不正や正しくないことは見過ごすことはないのかもしれません。

 

 

 国内の新型コロナの新規感染者数が初めて7万人を超えました。社会活動への影響が心配されています。その影響もあってか、株価は下落傾向のようです。ウクライナでの緊張の高まりの影響もあるようです。

ウクライナを巡る米大統領の発言

 バイデン米大統領が、ウクライナ問題に言及し、ロシアがウクライナに侵攻すれば、第2次大戦後で最大の侵略になると指摘し「世界を変える」と危機感をあらわにしたといいます。

米、プーチン氏自身へ制裁検討も ロシア、ウクライナ侵攻なら | 共同通信

 また、その場合はプーチン大統領自身への制裁を検討する考えを表明したそうです。

 バイデン大統領が人気の回復のため、緊張を煽っているようなことはないのでしょうか。こうした発言に「正しさ」はあるのかと考えてしまいます。

「義を見て為さざるは勇無きなり」と、「為政第二」24にあります。

 バイデン、プーチン両氏とも、それぞれに「義」、正義はあるのでしょう。それが高じて、間違った方向に「勇」を使って欲しくないものです。

之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥有りて且つ格し

  両氏には人格者であることを願うばかりです。