「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

106日ぶりの休日、騒然とする世相に首相は何を考えたのか

 

 明けたはずの梅雨が戻ってきたかのように西日本で大雨が続いています。梅雨末期のような状況といい、線状降水帯があちらこちら発生してもおかしくないといいます。大きな被害にならないことを願うばかりです。

 日銀の政策決定会合が近づき円の動向についてしきりに報道されています。世界各国との政策の違いが浮き彫りになり、今後の為替水準が心配になります。

 一方、みなの関心がある事件がらみでは、好ましからざる団体と政治の結びつきが暴露され、世相が騒然としているようです。

 他方、岸田首相が106日ぶり休養を取ったといいます。面会や会食などの日程を入れず、終日公邸で過ごしていたそうです。何を思い、何を考えたのでしょうか。世相が騒がしくなった一因に自身の発言があったことを思い返し、国葬の是非を考えたりはしないのでしょうか。国民の目線で功罪を評価していただきたいものです。

 

 

論語に学ぶ

勇を好むも貧を疾(にく)めば、乱る。人にして不仁なる、之を疾むこと已甚(はなは)だしきときは、乱る。(「泰伯第八」10)

 「乱」とは無秩序状態、叛乱のことをいいます。それがどうして起こるかを、孔子が、おそらく自分の見聞にもとづいて、述べたものであるといいます。

「勇敢な行為を好むといのは立派なことだが、そういう人が、貧しさに堪えられず、これを憎悪するようになると、必ず乱を引き起こす。また、不仁な、つまり人間性に背くような人がありとすれば、それはよくないことではあるが、その人間をあまり極端に憎悪、排斥するならば、その人は追い詰められてやはり乱を起こすことになる」と桑原武夫は解説します。

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 権力をもった人物に人道を背くような行ないがあったとしても、これを他のなんらかの力が一挙に否定しようとすれば、反作用として「乱」がおこるということを示唆しているとの見方もあるといいます。

 騒然とした空気が行き過ぎて「乱」に近い状態にならないことを願うばかりです。

 

 

「利に放(よ)りて行えば、怨み多し」。(「里仁第四」12)といいます。「利害打算で行動すると、他者から怨まれることが多くなる」と意味します。

 政権与党内で利害で動く人物が増えていないでしょうか。「正邪」「善悪」の区別がつかない者が多過ぎるように感じます。

 かなり厳しい状況になってきているように感じます。党総裁としても今やらなければならない役割があるのではないでしょうか。首相にとっての岐路なのかもしれません。

 中国では、フランスのマクロン大統領やドイツのショルツ首相など欧州各国首脳に、11月に習近平国家主席と北京で会談するための招待状を送ったといいます。

中国、欧州各国首脳に招待状送付 習主席との会談に向け=報道 | ロイター

 ロイターによれば、イタリアのドラギ首相とスペインのサンチェス首相にも招待状が送られたそうですが、4首脳とも受け入れるかどうかまだ決めていないといいます。

 招待状を出さなければ、誰も振り向いてくれなくなったということなのでしょうか。

其の身正しければ、令(れい)せずとも行なわる。其の身正しからざれば、令すと雖(いえど)も、従われず。(「子路第十三」6)

 上に立つ者は、己のあり方が正しければ、命令しなくとも、人々は方針に従う。そのあり方が正しくなければ、命令したとて方針に従わないと意味します。

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 国の行事とするのであれば、海外を含めて理解を得る努力が必要なのでしょう。無理して実施しても、誰も振り向いてくれなくなるようでは意味をなさないのでしょう。

 

「参考文書」

岸田首相、106日ぶり休日 面会などなく終日公邸に: 日本経済新聞