防衛省が、SNSなど交流サイトで国内世論を誘導する工作の研究に着手したといいます。共同通信によれば、複数の政府関係者への取材で判明し、改定される安全保障関連3文書にも、情報戦への対処力向上として盛り込むそうです。
防衛省、世論工作の研究に着手 AI活用、SNSで誘導 | 共同通信
インターネットで影響力がある「インフルエンサー」が、無意識のうちに同省に有利な情報を発信するように仕向け、防衛政策への支持を広げたり、有事で特定国への敵対心を醸成、国民の反戦・厭戦の機運を払拭したりするネット空間でのトレンドづくりを目標としている。(出所:共同通信)
一体何がしたいのでしょうか。危険領域に踏み込んではいないでしょうか。平和国家を守ろうとの意思がなくなった現れなのかもしれません。
「たぶん日本は滅亡する」、
スズキの鈴木俊宏社長が講演会で、日本政府の政策に一貫性がないとの認識を示し、そう警鐘を鳴らしたといいます。
節電要請する政府がEV推進、政策の一貫性のなさを指摘-スズキ社長 - Bloomberg
岸田首相の今日までの足跡を辿れば、そうなのかもしれません。
記事によれば、欧米や中国では自国の国力を上げるため官民一体となって取り組んでいるが、日本は企業任せで国家としての戦略が弱いと指摘したといいます。
鈴木社長はまた、一貫性のあるエネルギー政策の必要性も訴えた。政府は電気自動車(EV)の普及を促しているが、「日本のEVを動かすための電力政策で国家としてどういう風にやっていくのか、という話がまだまだできていない」と指摘。政府が今月から行っている節電要請を例に挙げ、「節電しろって言っているのに、EVを普及させるってどういうことなのか」と疑問を呈した。(出所:ブルームバーグ)
過去からの積み重ねがあって今日があります。どこかで選択の過ちがあったから今日これだけの窮状となったのでしょう。ゆるやかに政策転換していくのが現実的な対応なのでしょうが、政府はそうした意思はないようです。鈴木社長の警鐘が現実化しないことを願わずにいられません。
論語に学ぶ
勇を好むも貧を疾(にく)めば、乱る。人にして不仁なる、之を疾むこと已甚(はなは)だしきときは、乱る。(「泰伯第八」10)
「乱」とは無秩序状態、叛乱のこと。勇敢な行為を好むといのは立派なことだが、そういう人が、貧しさに堪えられず、これを憎悪するようになると、必ず乱を引き起こすことになり、また、不仁な、つまり人間性に背くような人をあまり極端に憎悪、排斥するならば、その人は追い詰められてやはり騒乱になると意味します。
日本周辺で起きている事象におびえ、勇敢になろうとするのは悪いことではないのかもしれませんが、実力以上のことをしようするから「乱」のもとになるのでしょう。
放漫財政を続け、何一つ成果がなく、多額の借金を背負わされているのに、そこに追い討ちをかけるようであれば、人心は離れていくのでしょう。しかし、こうした行為であっても、人道に背くからといって一挙に否定しようとすれば、反作用として乱れが起きるといいます。今まさにこうした事態に陥っているようです。
首相の防衛費増額の財源を増税で賄うとした発言に、自民党内に異論が噴出し、西村経産相は法人税の増税に反対の意を表しました。そう言わざるを得なくなったということなのでしょうか。
聞く力はどこへやら、化けの皮が剝がれた首相の暗君ぶりが際立っているようです。自民党内で「降ろし」の風が吹くことはないのでしょうか。それとも今しばらくは様子見なのでしょうか。