「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

「増税、増税、増税」、首相が重い年貢を取り立てる悪代官にみえてくる

 

 12月のロイター企業調査で、岸田政権の不支持が支持を大きく上回る結果が明らかになったといいます。「支持する」が37%であったのに対し、「支持しない」は63%だったといいます。

12月ロイター企業調査:岸田政権支持は37%、円安・物価対策など求める | ロイター

不支持の理由としては「成長戦略が不透明」が69%と最も多く、「実行力の無さ」が61%、「円安・物価高への対応」が52%と続いた。企業からは「決断力の遅さ。聞く耳を持っているのかもしれないが実行力は乏しい」(金属)との声が多い。(出所:ロイター)

 国内メディアによる一般の世論調査と同様の傾向が示されたといいます。企業の先行き不透明感につながっていると指摘します。

 

 

 記事によれば、岸田政権が優先的に取り組むべき政策について、「円安・物価高対策」が68%でトップに上がり、次いで「外交・安全保障政策」が43%、「財政再建」が37%などとなったといいます。この他、エネルギー対策や少子高齢化対策などを挙げる声もあったそうです。

 膨れ上がる補正予算を受けて「財政赤字への対策は待った無しと思われ、バラマキ型の政策継続は疑問である」(化学)との指摘もあったといいます。

 政権の実行する施策ひとつひとつが評価されていないということなのでしょう。

 2022年7~9月期のGDP国内総生産の改定値が公表されたといいます。個人消費が下方修正され、1次速報で前期比+0.3%だったものが、今回は+0.1%になったそうです。とある専門家は、国内経済はこの先も「低空飛行」を続ける公算が大きいと指摘しています。

日本の7~9月GDP、年率0.8%減 改定値で上方修正: 日本経済新聞

実質賃金がマイナスになっている上に、根強い将来不安や人口減・少子高齢化といった中長期的な構造要因があるため、経済成長の主力であるべき個人消費には、力強さが伴わないだろう。(出所:日本経済新聞

 政府施策と企業を含めた国民感情が乖離しているのですから、経済指標が改善することがないのも当然の結果なのでしょう。

 こうした現実がつきつけられているのに、政権運営は相変わらずのようです。何かの対策を実行するにもまずは財源と言い訳し、増税に執着しているようです。防衛費の増額については不足する財源1兆円を増税で賄うよう検討を指示したといいます。

 

 

 岸田首相が、時代劇「水戸黄門」に登場する、重い年貢を押しつけ、領民を苦しめ、さらに無慈悲に取りたてる悪代官のように見えます。黄門さまのような世直しをする人の登場が待たれているのでしょう。

 その首相はよほど隣国中国のことが気になるのでしょうか。

 月内に改定する国家安全保障戦略に関して、中国の軍事動向などを「最大の戦略的な挑戦だ」と明記する方針を示したといいます。防衛力増強の言い訳にしたいのでしょうか。

中国は「最大の戦略的挑戦」 国家安保戦略で政府調整:時事ドットコム

 一方中国では、民衆が当局のゼロコロナ政策に反発、デモが頻発するようになりました。また、この政策による弊害で、経済活動が停滞し始め、中国政府は政策転換を余儀なくされました。問題も多い国のなのでしょうが、それでも民衆の声と経済を無視できず施策変更するようです。

 民主国家であるはずの日本が国民の声を聞かないとは何とも恥ずかしいことではないでしょうか。

 普通に見れば、こうした状況下にあって、また国際世論を無視して中国が突如無謀な行為を始めるとは考えにくいと思えます。中国もロシアのように国際的に孤立することは望まないのでしょう。そうなったときに生じる経済的影響を中国国民が許すことはないのではないでしょう。

論語に学ぶ

人の過つや、各々其の党に於いてす。過つを観れば、斯ち仁を知る。(「里仁第四」7)

 朱子の解釈によれば、君子の「党」は人情に厚いためにミスを犯し、小人の「党」は人情に薄いためにミスを犯す。そこでそれぞれの人間の過ちを観察してみれば、その当事者における仁のあり方、つまりその人間の道徳性の高低がわかるといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 一方、伊藤仁斎は、人間が過失を犯すのは必ず朋類のためにであるといい、過ちを犯す人間のうちにも暖かい仁の心は消えていないのだといいます。

 市井においては、それはそれでいいのかもしれませんが、一国の宰相が自分の党をかばってミスを犯すのであれば、許されるはずがありません。それによって国民が苦しむようになれば、どこぞの国よりも問題がはるかに大きいのではないでしょうか。