「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

異常だった臨時国会、辞任ドミノ、被害者救済、首相に何か成果はあったのだろうか

 

 異常な国会が閉幕しました。品位に欠く3閣僚が相次いで辞任し、自民党との関係が深いことが明らかになった宗教団体による献金に苦しむ被害者を救済するための被害者救済法が会期ぎりぎりで成立しました。

 首相は記者会見し、したり顔で成果を強調しています。茶番劇のようなものです。問題が露見したことで、手のひらを返し、まるで自らの手柄のように振舞う。何かがくるっているのでしょう。

 問題は不適切な人事だったということなのでしょう。今もその人事の問題は後を引きずっています。被害者救済に乗り出しところで、これまで関係があった事実を消すことはできません。救済法が成立したからいって、問題が解決された訳ではありません。ここまで長引くのはなぜなのでしょうか。

 国民生活を守るという使命を持つ者として、自らを省み、責任ある行動がとれているか否か、そして国会議員としての品位が問われています。

 

 

「未来の世代に対する私たち世代の責任だ」、岸田首相が記者会見で、防衛費増額の財源の一部を増税で賄うことを検討していることについて、そう説明しました。

 自民党内であがる国債発行でまかなうべきだの声を念頭に、今の世代から負担を行うことに理解を求めたといいます。

 自らの党のためにも会見を利用するとは情けない話です。一国のリーダーとして恥ずべき行為なのでしょう。

【岸田首相会見】防衛財源の増税検討「未来の世代に対する私たち世代の責任」 - 産経ニュース

首相は「増税が目的でなく、防衛力の強化・維持が目的だ」と指摘。増額に必要な財源のうち「4分の3は歳出改革でまかない、4分の1を国民に協力いただきたいと考える」と語った。(出所:産経新聞

 もっともらしく説明しますが、そもそも論で、防衛力の強化が真に必要なのでしょうか。

 米韓が軍事演習を活発化させるから、それを挑発行為とみなす国が弾道ミサイルを乱射します。米国の下院議長が台湾を訪問したがために、これに腹を立てた国が軍事力を誇示するためにミサイルを発射しました。日米同盟を外交の基軸にして、不可分な関係となっているがために過剰反応し、悲観的な観測をしてしまうのでしょうか。

 隣国という地理的な不利さが関係しているのかもしれません。対立する2大大国の争いに積極的に関わるべきなのでしょうか。悲観論によらなければ、取れる行動はまだありそうです。

 

 

 首相は防衛力の強化のためには歳出改革が可能で3兆円ものお金を捻出できるといいます。

 このお金を防衛力のために使うのがいいことなのでしょうか。それよりも社会保障の充実やこども政策に優先的に使ってもよさそうです。そうであれば、未来世代のためにもなり、将来不安が少し改善するのかもしれません。これこそが今を生きる世代の責務ではないでしょうか。

 不思議なことです。軍備のためには歳出改革はできるのに、直接国民のためになることには消極的になるようです。国を守るという大義名分は立派なことなのでしょうが、防衛力だけで国を守ることはできません。2大大国の間に入り込んで、防衛力で張り合うことは無意味です。経済力が格段に違い、差がついてしまっているのですから。

 首相は、増税は「令和9年度に向け複数年かけて段階的に開始する」と説明し、個人の所得税が増えることはないと言い訳します。もうこうした言い訳を聞きたくありません。税目はどうであれ、増税すれば負担は増すのですから。こうしたことが国民を愚弄しているという気づきはないのでしょうか。

論語に学ぶ

已(や)んぬるかな、吾未だ能(よ)く其の過ちを見て、内に自ら訟(せ)むる者を見ざるなり。(「公冶長第五」27)

 人間が過ちを犯すことは避けられませんが、多くの場合、人はあることが過ちであることに気がつかなかったり、あるいは気がつこうとしないといいます。また気がついてもなんとか取り繕うとしてしまうといいます。

 本当に学問をしているのなら、道徳を知り、その過ちを自分で咎めることができるはずなのに、そういう人間が少なってしまった。これでは、もうおしまいと言わざるを得ないと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 今の政府はどうなのでしょうか。学びがないと感じないでしょうか。品もなく、徳もない人が政治で人々を魅了することはできないのでしょう。首相も学び直して人格を磨いてみてはどうでしょうか。

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 首相は専制なる国を嫌い対抗しようとするのでしょうが、民主国家であるはずの日本政府がそれらの国の政治に近づいていそうで、もしかしたらそれ以上になっていないかと危惧します。記者会見での内容がどこかの国の大統領がしゃべることとあまり変わりないような気もします。自身を省みず、何事も悪いの相手国なのでしょうから。