「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

日本の未来に危機感を抱く自動車業界、動き出す豊田社長、政府に申し入れ

 

 自動車が世界の一大産業であることは今も昔も変わりはありません。そして、これから先もそうあるのかもしれません。

 日本においては、他の産業の衰えが見える中で、自動車が唯一今も国際競争力を維持しているといっていいのかもしれません。

 自動車産業の衰退は日本の衰退という強い危機意識を、トヨタ自動車の社長にして、自動車工業会の会長も務める豊田章男氏はお持ちなのでしょうか。

 経団連が6月に「モビリティ委員会」を発足させたといいます。国際競争力を強化し、日本経済全体の成長を目指すことが狙いのようです。

次世代も勝ち残れる日本のモビリティー産業のあり方を見いだすのが、委員会の大きな役割だ。(出所:ニュースイッチ)

 

 

 自動車産業への関心が高いのでしょうか、この委員会には自動車メーカや部品メーカだけではなく、石油、素材、金融、電機、旅行、ITといった幅広い業種から200社あまりが参画しているそうです。

トヨタ社長・デンソー社長が共同委員長、経団連が新設「モビリティ委員会」が担う大役|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

 経団連を後ろ盾にすると政府との直接対話もしやすくなるといいます。豊田社長も「官邸相手に議論ができることは大きな一歩だ」と語り、手応えを示したそうです。

(写真:トヨタ自動車

 現実11月に官邸で、岸田首相をはじめとする関係閣僚と懇談したといいます。

 この席上、経団連の十倉会長は、モビリティ産業は裾野が広く、「分厚い中間層を復活させるうえでも大きな役割を担っている」と述べ、政府に要望事項を伝えたそうです。

 また、電動化や自動運転化が一気に進むと過大評価すべきではなく、トランジションの段階を踏むことが重要であるとしたうえで、ゴールに向けて取り組みを進めるべきと注文を付けたといいます。

モビリティ産業について関係閣僚と懇談(経団連)

 経団連によれば、豊田社長は、「日本の自動車産業が世界をリードし続けられたのは強い現場があったからだ」と指摘、日本経済が強さを取り戻し、技術革新や高い生産性を生み出していくには、知恵と工夫を出し合い、「一生懸命働くこと」が必要としたといいます。

 また、政府に対しては、日本の強みを活かしたやり方を骨太に議論してほしいと訴え、規制から入るのではなく、現場がしっかりと働き続けられ、かつモビリティの発展とカーボンニュートラルが両立するよう、税制への抜本改革も含めた支援を求めたそうです。

 

 

 政府はどこまで危機感を理解したのでしょうか。政府は返答は相変わらずのようで、上から目線のままのようにも見えますが、強き意志をもった人との継続的な話し合いで変化はあるのでしょうか。

 ニュースイッチによれば、「日本が強みとする技術力を生かせる「多様な手段」こそが脱炭素化を促す」という潮流を生み出すことが喫緊の課題になるそうです。そのため、広島で2023年5月に開かれる主要国首脳会議(G7サミット)に向けて提言をまとめるといいます。「日本のカーボンニュートラルを伝える貴重な機会だ」と豊田社長が語ったそうです。

 政府も何だかんだと様々な施策を発表していますが、それは経済界の思いとは乖離していたということだったということでしょうか。国がミスリードするから、国の衰退の一途をたどっているということなのかもしれません。

論語に学ぶ

千乗の国を道(みちび)くには、事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うには時を以てす。 (「学而第一」5)

 大国を導いていくには、事務上のことは丁寧に扱って人民を欺くことなく、公の金品は節約を心がけて、人々の心や生活を豊かにし、民を使うには時宜をはかると意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 今の政府は、もうどれひとつできなくなっているのかもしれません。残念なことです。

 一部閣僚からは、防衛費増額のために増税に反対の声が上がり始めています。自民党幹部は台湾を訪問し、中国を刺激するような発言をしているようです。

 いつまでこんな劣悪な政治が続くのでしょうか。与党にはもう国を導く能力がないことが明らかになったように感じます。

 本来、政治が自らを改革をしなければならないのでしょうが、それすらもできなくなっているのでしょう。豊田社長の申し入れが変化のきっかけになり、この国の「カイゼン」につなげていかなければならないのでしょう。

 

「参考文書」

モビリティ委員会発足(経団連)