子曰わく、其の身正しければ、令(れい)せずとも行なわる。其の身正しからざれば、令すと雖(いえど)も、従われず。(「子路第十三」6)
(解説)
孔子の教え。上に立つ者は、己のあり方が正しければ、命令しなくとも、人々は方針に従う。そのあり方が正しくなければ、命令したとて方針に従わない。(論語 加地伸行)
「民は之に由(よ)ら使む可(べ)し。之を知ら使む可からず」(「泰伯第八」9)
人々に対して、政策に従わせることはできるが、政策を理解させることなると、なかなかできないといい、桑原武夫はそれが徳治主義の当然の帰結であるとした。
「中庸の徳為る、其れ至れるかな。民 鮮(すく)なきこと久し」
「中庸の徳」、これを欠くから争いが生まれるのかもしれない。それゆえに、この徳を見るけることが、上に立つ者の心得なのだろう。
「其の身正しければ、令せずとも行なわる」
「中庸の徳」を身に着けるべき、そうありたいと思う。
(参考文献)