プロジェクトXのように感動する成功例がある一方で、その陰では日の目を見ることもなく失敗に終わるプロジェクトも多数あるのでしょう。原子力発電もその例にあげてもよいのではないでしょうか。
敦賀原発2号機、不合格の審査書案を了承=原子力規制委 | ロイター
福島の事故ですべての原発が停止し、安全基準が強化されるとその対応に四苦八苦する状況が続いています。それを乗り越えることができれば、プロジェクトXものになるのでしょうが、現実はかなり厳しそうです。
日本原子力発電の敦賀原発2号機は断層問題で新規制基準に適合せず、福島の事故後制定された新規制基準の下で初の不合格となるそうです。 原電は「活断層でない」と主張を続け、不許可になっても2号機を廃炉にせず、追加調査をした上で審査の再申請する意向といいます。
「公表遅すぎる」水戸市長が原電の対応批判 東海第2、工期再延期 | 毎日新聞
同じく原電の東海第2原発では防潮堤の施工不良が見つかり、追加工事が不可避になりました。再稼働を目指す原発ですが、延期を余儀なくされるようです。どうにも原電は信用に値しないように感じます。
核燃料再処理工場
核燃料サイクルを担う日本原燃が進める核燃料再処理工場は完成が遅れに遅れています。着工からすでに31年が経過し、その間に完成目標が27回にわたって延期されてきたといいます。
青森・六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場、完成延期を表明 日本原燃 - 日本経済新聞
稼働する原発に使用済み核燃料がたまり続けているそうです。再処理工場が完成せず、いつまでたっても核燃料サイクルが完成しないのですからそうなって当たり前です。原燃の発表を受け、関西電力は、福井県内の原発にたまる使用済み核燃料の県外搬出に向けて策定したロードマップについて、「見直しが必要になる可能性がある」と表明し、影響が広がっています。「再処理工場が完成しないことが原子力利用を進める上での大きなボトルネックにもなっている」と高浜町長は述べ、早期稼働を求めているといいます。
原発関連のトラブル、不祥事が後を絶ちません。福島の事故はもちろんのこと、発電に使った以上の核燃料を生み出す「夢の原子炉」と言われた「もんじゅ」は、1兆円も税金を投じながら、稼働日数250日で運用を終了、廃炉となりました。世界最大規模の東京電力柏崎刈羽原発も再稼働に向け準備を進めますが、度重なるトラブルで遅れに遅れています。地元同意が不可欠ですが、これだけの問題を露呈させておいて、どう信用できるのでしょうか。
この他にも東芝問題など原発関連の問題をあげたらきりがありません。
論語に学ぶ
唯仁者のみ能(よ)く人を好み、能く人を悪(にく)む。(「里仁第四」3)
心ある人だけが善い人は善い人とし、悪い人は悪い人と見きわめることができると孔子は言いました。
何事も人次第なのでしょうが、なぜに原発関連にはこうも人材がいないのか不思議でなりません。夢の技術ともてはやされ、いつしか利権の塊りになってしまったからなのでしょうか。
退陣を決めた岸田首相が、その柏崎刈羽原発の再稼働を後押しするため、原子力関係閣僚会議を来週開くと表明したそうです。レガシー作りにするのでしょうか。
政府も問題を起こす事業者も原発を任せるには危険すぎるような気がします。心あるリーダーの誕生が待たれます。
人材はいるのでしょうが、この狂った世ではそうした人物に光があたることがなさそうです。そう遠くない日に人々を感動させるプロジェクトXのネタも尽きるのかもしれません。
「参考文書」
使用済み核燃料県外搬出で関電「工程表見直し可能性」 六ヶ所村の核燃料再処理工場、完成延期の正式表明受け | 原発 | 福井のニュース | 福井新聞D刊
31年たっても“建設中″ 六ヶ所村の「核燃料再処理工場」原子力規制委が耐震性など現地調査(2024年6月29日掲載)|日テレNEWS NNN
