「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

進まない原発事故処理、あの日から13年、身につけた悪習

 東日本大震災福島第1原子力発電所の事故から13年経ちました。今年1月1日には能登半島地震がおき、改めて地震大国であることを再認識します。

<主張>東日本大震災13年 「戻りたい」叶える復興を 教訓伝え能登のいまに生かせ 社説 - 産経ニュース

 あの日、大津波に沿岸部の家々は飲み込まれ、原発は大事故となって放射能が漏れ出しました。最大47万人の人たちが避難を強いられ、今なお2万9千人を超える人が避難生活を続けているそうです。いまだ福島県の一部では帰還困難区域が設定されたままで、立ち入り禁止が続いています。

 死者、1万5900人、行方不明、2520人。

 あの日から始まった復興と再生はまだ途上のままといいます。

 

 

 こうした苦い経験を活かしきれていないと感じます。遅滞、停滞していることが多々ありそうです。福島第一原発廃炉計画は遅れに遅れ、デブリの取り出しは不透明なままです。汚染水処理にはまだまだ長い時間を要するといいます。事故処理費用は重くのしかかり、それも国民負担でまかなっていかなければならないのでしょう。

 夢の技術であったはずの原子力は人間が扱うには危険すぎるものだったということなのでしょう。人類の叡智を集結すれば超克できない困難はないと信じていましたが、それも妄想過ぎないということを痛いほど知りました。原子力とは、テクノロジー開発をさらに進め、人間がもっと成長してからではないと、扱うことができないもののように感じます。

青森・六ケ所村の核燃料再処理工場、27回目の完成延期が確実 「サイクル政策」破綻で各原発内長期保管が常態化:東京新聞 TOKYO Web

 原子力関連の具現化技術、管理技術の進展は遅々たるもので、未だに多くの原発は再稼働できずにいます。大人の事情があるのかもしれませんが、政府の原子力政策もままならず、常に危険と隣り合わせの状態が続いています。超克すべき壁がたたありそうです。

 こんな重大な事案があるというのに、政治は惨憺たるもので、この13年間、何の進歩もなく、「桜を見る会」に「忖度」、「裏金」、「過激ダンスショー」、かえって劣化、良からぬ悪習を身につけただけのような気もします。そんな政治を変えようにも抵抗勢力ばかりが闊歩し続けているのですから残念でなりません。

 

 

論語に学ぶ

孔子季氏を謂う。八佾(はちいつ)庭に舞わしむ。是れ忍ぶ可(べ)くんば、孰(いず)れをか忍ぶ可からざらん、と。(「八佾第三」1)

 孔子が魯国の実力者季一族について密かに評したことがあった。季氏が自邸の庭で祖先の祭祀を行なうとき、天子しか許されない「八佾の舞」六十四人による納舞をさせた。こういうことを平気で行なうようになれば、どのようなことでも平気で行なうことになるであろうといいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 守るべき規範があるはずなのに、実力があるわけでもないのにただ地位についたということだけで驕り高ぶって何でもしでかす輩はどんな時代でもいるということのようです。

 この13年間、時間とカネをただ浪費してきてはいないでしょうか。今すぐにやめることを決めて、今すぐにやるべきことができるようになれば日本も変わっていきそう気します。日本らしい価値観を再発見したいものです。

 

「参考文書」

東電、収益多角化で進展 柏崎原発は売却を―橘川武郎・国際大学学長:時事ドットコム