「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【是れ忍ぶ可くんば、孰れをか忍ぶ可からざらん】何でもありの世界 原発の町高浜と関西電力 Vol.44

  

 孔子季氏を謂う。八佾(はちいつ)庭に舞わしむ。是れ忍ぶ可(べ)くんば、孰(いず)れをか忍ぶ可からざらん、と。(「八佾第三」1)

  

(意味)

孔子が季一族について密かに論評されたことがあった。季氏が自邸の庭で祖先の祭祀を行なうとき、天子しか許されない六十四人による納舞をさせた。こういうことを平気で行なうというのであれば、どのようなことでも平気で行なうことになるであろう、と。」論語 加地伸行

 

「季氏」、季孫氏のことで、三桓の筆頭。

 魯国君主の桓公の分家に、孟孫氏、叔孫氏、季孫氏の三家があり、三桓といわれ、魯国重臣として代々威勢があった。

 孟孫氏、叔孫氏が側室の子であったのに対し、季孫氏は正妻の子であったので筆頭格であった。季孫氏は自邸に桓公の廟を建てて他の二家と一緒に祭っていた。

 

 

 

 魯国の始祖周公は、周王朝から特別待遇を受けいたので、魯国で行う儀式は天子の儀礼並みであることが許され、そこで、魯君は天子の舞楽にあたる「八佾の舞」を祭祀の折に行わせていた。

 季孫子は祖先が桓公であるため、魯君と同等に「八佾の舞」を自邸で行ったという。これでは、主君と同格を示すのみならず、間接的には天子と同格になるので、孔子はそれを僭越と批判したと加地は解説する。

 この季孫子孔子の関係は長く続いていることから、これはおそらく大っぴらにに言ったのではなく、弟子に述べたものであろうと加地は言う。

 

 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 

 

 「三桓」、今ではいう上級国民というかんじであろうか。

 

 関西電力原発の町 高浜町の元助役との癒着が報道された。儀礼としての贈り物。儀礼とはどういうものなのであろうかと考えてしまう。

 何でもありの世界。常軌を逸した行為。論語をきちんと学んでほしいもの。

金品を提供したのは高浜町の元助役、森山栄治氏で高浜原発の誘致にも携わった。八木会長、岩根社長を含む関電の20人は2011~18年までお中元、お歳暮、社長就任祝いなどの名目で、現金のほか、背広、そうめんなどを受領したという。会見で岩根社長は「一時的に保管していた。地元の有力者で、返却を拒まれたので関係悪化を恐れた」と説明。20人全員が儀礼の範囲を超える金品はすでに返却したという。(出所:日経新聞) 

www.nikkei.com

 

 

  

経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は27日の定例記者会見で、「詳細な情報が分かっていない」としたうえで、「八木さんも岩根さんもお友達で、うっかり変な悪口も言えないし、いいことも言えない。コメントは勘弁してください」と語った。(出所:朝日新聞デジタル) 

www.asahi.com

 

こういう人が日本経済界のトップとは.....

もう老害というしかない。お引き取り願いたい。

  

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