打ち上げに失敗した新型主力機H3ロケット初号機について、JAXAが文部科学省の有識者会議で調査状況を報告したといいます。
H3打ち上げ失敗、電源系統の異常確認 2段目エンジン着火せず | 毎日新聞
記事によれば、1段目のエンジンを分離した後、機体から2段目のエンジンへ着火を指示する信号をエンジン側が受信していたことは確認できた一方で、この信号を送ったタイミング付近で、回路の電圧などのデータに異常を検知した痕跡が見つかったそうです。
機械は嘘をつかないので、4M変化点や外乱要因を徹底的に調査し、原因究明に努め、再発防止策を確立して欲しいものです。
柏崎刈羽原子力発電所でも
テロ対策の不備などで行政処分が出されている柏崎刈羽原子力発電所について、原子力規制委員会は5月中の処分解除が難しいとの見通しを示し、政府や東電が目指す早期再稼働は困難になったといいます。
柏崎刈羽原発の運転禁止「解除難しい」 規制委員長が発言、早期の再稼働は困難に:東京新聞 TOKYO Web
記事によれば、8日の定例会合で、規制委事務局が検査の状況を報告し、新たに導入した侵入検知器が正常に作動せず、機器の腐食があったり、また、風雪などを誤って侵入者と判断する誤警報が減っていないなどの問題に加え、現場職員の問題意識が管理職に共有されていないなど人的な要素などを含め6項目の課題が残るとしたといいます。
機械は嘘をつきません。誤作動するのも、使用しているセンサーが適当でないのか、または感度の問題なのでしょうか。いずれにせよ、嘘をつかない機械を上手くコトントロールできていない、東電側のプロジェクトマネジメントの問題ように見えてしまいます。
原子力規制委の山中委員長は「最終報告までに課題を改善できる状態ではない」と指摘し、5月以降も最低でも1〜2カ月は検査を続けるとの見通しを示したそうです。これにより、運転禁止状態がさらに長期化することが確実になったといいます。
人は平気で嘘をつく
国会では、高市経済安全保障担当相が、今問題となっている総務省の行政文書について、改めて「捏造されたものだ」と答弁したといいます。
大臣と官僚「どちらかがうそ」 予算委で首相火だるま必至 政界の断面 | カナロコ by 神奈川新聞
記事によれば、立憲民主党など野党は「大臣か文書を作成した官僚のどちらかがうそをついている」と指摘し、追及を強めているといいます。また文書の存在を明らかにした小西議員は参院予算委員会で「国家の崩壊」と批判したといいます。
行政において、嘘がまかり通ってしまうのであれば、信頼が瓦解し、コントロールを失っていくことにつながっていってしまうのではないでしょうか。
こうした問題をうやむやにし、解決できずに放置していることが諸悪の根源なのでしょう。問題は解決できるという範を示すべきなのでしょう。
論語に学ぶ
君子は諸(これ)を己に求め、小人は諸を人に求む。(「衛霊公第十五」21)
君子 教養人は、責任を自分に求めるが、小人 知識人は責任を他者に求めると意味します。
自身にとって都合の悪いことを誤魔化すのではなく、それに関わっているのなら、誠実に向き合うべきです。そして、物事を良くしていこうとする心があるのであれば、自ら率先して、ことの究明を図ることができるはずです。
それができていないのなら、相手の指摘に反論したところで何の説得力もないのでしょう。こうしたことをもう悪習にしてはならないはずです。
「参考文書」
高市氏 放送法めぐる行政文書“自身関係はねつ造 辞職考えず” | NHK
原子力規制委「柏崎刈羽原発の5月中の処分解除は難しい」|NHK 新潟県のニュース