闕党(けっとう)の童子 命(めい)を将(おこ)なう。或るひと之を問うて曰わく、益ある者か、と。子曰わく、吾 其の位に居(お)るを見る。其の先生と並び行くを見る。益を求むる者に非(あら)ず。速やかに成らんと欲する者なり、と。(「憲問第十四」44)
(解説)
闕という地方出身の童子が客の取り次ぎをしていた。ある人が「なにか良いことのある少年ですか」と質問したところ、孔子はこう答えた。「この子は子どもなのに隅に坐らず、上席に平気で坐っている。成人には一歩退(さが)って随行すべきなのに、並んで歩く。そういうのを私は観ている。良いものを学ぼうとする者ではない。ただ速く成人なみになりたいと思っているだけの子である」と。(論語 加地伸行)
そのため、孔子は童子に取り次ぎをさせ、礼儀作法を教え、訓練していると加地はいう。
「関連文書」
(参考文献)