「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【俎豆の事は、則ち嘗て之を聞けり。軍旅の事は、未だ之を学ばざるなり】Vol.379

 

衛の霊公(れいこう) 陳(じん)を孔子に問う。孔子対えて曰わく、俎豆(そとう)の事は、則ち嘗(かつ)て之を聞けり。軍旅(ぐんりょ)の事は、未だ之を学ばざるなり、と。(「衛霊公第十五」1)

 

(解説)

衛国の君主霊公が軍師のことについて孔子に質問した。孔子はこう答えた。「祭器の並べ方は、かつて習得いたしました。さりながら、将兵の並べ方につきましては、まだ学んだことがありませぬ」と。論語 加地伸行

 

「陳」、つらねる。この俗字が「陣」といわれる。

「俎」は肉を載せる器、「豆」は汁気のあるものを入れる器で式典に使う。「俎豆」で礼法の意。

「軍」は12500人、「旅」は500人の集団。「軍旅」で軍時の意。

 

「顔淵第十二」7で、子貢と孔子が政について問答する。孔子は「食を足らし、兵を足らし、民 之を信ず」と答え、子貢が「どうしても棄てなければならないものがあるとしたら」と質問すると、「軍備」と孔子は答える。 

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 孔子が重んじたのは、「信」「食」「軍」の順であった。

 

「関連文書」   

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 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫