日経平均株価は終値で史上初めて4万5千円を突破し、史上最高値を更新しました。しかし、この株高が必ずしも実体経済を表しているということはないようです。
日経平均株価、初の4万5000円台 消える「日本株ディスカウント」 - 日本経済新聞
FRB 米連邦準備制度理事会が9か月ぶりの利下げを決定し、米国経済への安心感が広がり、米国株式市場の上昇を受けて、日本の半導体関連株やハイテク株が上昇しました。円安も進行し、輸出関連企業の業績拡大への期待も高まりもあるといわれます。
市場は熱気に包まれているそうです。しかし、まだすべての投資家が強気になれていないといいます。
日経平均最高値、今なお残る「懐疑派」米国勢 株高持続のサインか - 日本経済新聞
米国の有力ファンドをみると、日本株の組み入れはお抑え気味で基準値より2割程度少ないといいます。
こうした懐疑派の存在が、株高の持続力を示唆しているのか.....(出所:日本経済新聞)
「賃上げなどを起点としたインフレ定着」、「企業統治改革の進展」、「国内政治の停滞脱却への期待」、これら日本株をディスカウント(割引)する要素が解消され続けるのであれば、日本株の長期的な上昇トレンドを支えるといいます。いつものような期待先行での株高。しかし、関税政策を推し進める米国経済の行方や地政学リスクなど外部環境の不透明感があって、引き続き注視が必要といいます。
市場の期待通りになれば、実体経済の改善が進みそうです。それがその先の株価上昇につながっていきそうです。今のような一部企業の株高だけではなく、すそ野が広がっていくのかもしれません。しかし、それは政治と企業次第。それはそれでリスクでもあるということなのでしょう。進まないDXにAI活用、原発を含めたエネルギー問題、コメ問題、政府の物価高対策、マイナ保険証問題など、実際の社会はまだまだ市場の期待とは乖離し、それに近づくスピードも遅々たるもののように見えます。これら問題に携わる人の問題、質の問題もありそうです。
論語でまとめ
子 罕(まれ)に利を言うとき、命(めい)と与(とも)に、仁と与にす。(「子罕第九」1)
孔子は、「利」と「天命」や「人道」を結びつけ、「利」がただ私欲を満たすためのものではなく、天の理にかなったものであるべきだといいました。
企業経営者や政治家が真にこの言葉の意味を理解し行動するのなら、今ある社会課題や問題も速やかに解決されていくのではないでしょうか。公利、公益を優先し、その解決の大きさによって私欲が満たされることを知ればいいのでしょうが、難しいのでしょうか。私欲、貪欲さが強いモチベーションになっているということなのかもしれません。そのコントロール方法を知って欲しいのですが。
日銀が金融政策決定会合で、政策金利の据え置きを決めました。市場は株安・円高・債券安の反応のようです。
利上げ観測、強まる可能性 第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野英生さん - 日本経済新聞
今回の金融政策決定会合では、政策委員2人が政策金利を0.5%程度から0.75%程度に利上げする議案を提出したそうですが、反対多数で否決されたといいます。いよいよ利上げが近づいてきたということなのでしょうか。
しかし、実際に利上げとなれば、それはそれで波乱要因もあります。まだまだ日本経済が不安定な状態にあるともいえそうです。実体経済の改善にはまだまだ時間がかかりそうです。
「参考文書」
米金融緩和に支えられる株価上昇 ~一時は日経平均株価4万5千円~ | 熊野 英生 | 第一生命経済研究所
日銀、政策金利0.5%で据え置き 5会合連続 - 日本経済新聞
「昼の円安・夜の円高」復活 ドル円相場、レンジ突破へたまるマグマ - 日本経済新聞