「Future Design 2040」、2040年に目指すべき日本の道筋を経団連が年内をめどにまとめるそうです。少子高齢化や人口減少、資源が乏しいといった制約を踏まえて持続可能で公正・公平な経済・社会像を提起するといいます。
経団連夏季フォーラムが閉会 2040年への課題や期待をとりまとめ | 毎日新聞
そのためのフォーラムが長野県軽井沢町で開催され、成果文書「軽井沢宣言」を取りまとめたといいます。この文書には、産業界の役割や政府への期待が明記されているそうです。来賓として講演した首相に手渡したといいます。
DX:デジタルトランスフォーメーションに、GX:グリーントランスフォーメーション、地域経済、グローバルリーダーの育成などが話し合われたそうです。
次世代革新炉「開発・実装を着実に」 経団連夏季会合 - 日本経済新聞
原子力発電所の再稼働や新増設、建て替えについて言及があったようです。安価で安定した電力供給を確保するため、計画の具体化を促進し、高温ガス炉や核融合などの次世代革新炉については、政府が開発・実装を着実に推進すべきだとしているといいます。
また、AI 人工知能などの社会実装を進める必要性も提唱し、イノベーション促進に向けた大胆かつ継続的な投資の支援を要求しているといいます。
また、全世代型社会保証も議題として取り上げられ、税負担から逃げずに議論すべきだとの意見が出たといいます。
十倉会長は消費増税に前向きなようです。社会保障に不安があれば賃上げをしても消費拡大につながらないとも指摘したといいます。
十倉会長が経団連会長に就任して3年、この間、デフレからの完全脱却に努め、30年ごろまでに分厚い中間層の形成を目標に掲げてきたそうです。5月末の総会では「高い賃上げに全力で取り組み、賃金も物価も上がるというノルム(社会的規範)を確かなものにしたい」と語っていました。
首相も登壇し、「金融政策の正常化が経済ステージの移行を後押しする」と語り、デフレから成長型経済に移ることで「金融政策のさらなる中立化を促す」と講演したそうです。
論語に学ぶ
人にして不仁ならば、礼を如何せん。人にして不仁ならば、楽を如何せん。(「八佾第三」3)
仁を持たないようなダメな人間が、礼:規範だの、楽:文化だの、と言っても始まらないと孔子はいいました。
天下国家を安んじることのできないものが、「礼」だの「楽」だのといっても、行うことはできようはずもない。なぜなら、「礼」も「楽」も、「仁」人の道から生まれたものだからといいます。人の道を知らずして、規範を語るのはおこがましいということでしょうか。
「活力ある日本を取り戻す」、政財界のトップリーダーたちが一堂に会して語り合うのですから、壮大なビジョンをテーマにするのは悪いことではないのでしょうし、30年の間に定着したノルムを打ち壊すことにつながっていけばいいのでしょう。時々のリーダーが知恵を絞っても実現できなかったことを、とんとん拍子に進めて欲しいものです。
欠けている何かがあったからことごとく失敗しては、長きにわたる失われた時間を過ごすことになったのではないでしょうか。今回のビジョンもまた机上の空論で終わらないことを祈るだけです。
「仁に過ぎれば弱くなる」とは伊達政宗の言葉です。この言葉の表面面をとらえて「仁」が軽んじられてきたことはないでしょうか。もっと人間味があったなら、今頃はもっと違う日本になっていたのかもしれません。
「仁に過ぎれば弱くなる。義に過ぎれば固くなる。礼に過ぎれば諂いになる。智に過ぎれば嘘をつく。信に過ぎれば損をする」(伊達政宗)
「参考文書」
岸田文雄首相「金融政策の正常化で経済後押し」 経団連講演 - 日本経済新聞