「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

炉辺閑話 #2 「冷静な頭に温かい心」 孫正義さん

 

 孫正義さんの発言がSNSでも話題に。孫さんの発言をもとに書かれた記事が拍車をかけたようです。

「日本はAI後進国」「衰退産業にしがみついている」「戦略は先輩が作ったものの焼き直しばかり」。ソフトバンクグループの孫正義社長による手厳しい発言が話題となっている。多くの人が薄々、感じている内容ではあるが、公の場では慎重に言葉を選んできた孫氏の性格を考えると、一連の発言は異例であり、事態が深刻であることをうかがわせる。(出所:Newsweek

www.newsweekjapan.jp

 

 若き日の孫正義さんのことが、樋口廣太郎さんの著書「つきあい好きが道を開く」に次のように書かれています。

 時々、(孫さんは)相談事で私(樋口)に電話をかけてきますが、余計なことは言わずに単刀直入に用件を言ってくるのが孫さんの流儀です。

 (中略)スケールの大きな新しい起業家としてマスコミの寵児となった観がありますが、全く違った面を見せてくれたことがあります

 96年2月20日毎日新聞社から毎日経済人賞をもらった時の授賞式でのことです。

 新事業についてのプレゼンテーションなどでは、言いよどむことなく、立て板に水のようにとうとうと計画をぶち上げる孫さんも、その時は挨拶の途中で、突然声を詰まらせ、涙ぐんだのです。

 賞をもらうという光栄な場所で、突然、幼児期の自分を思い出したと言うのです。孫さんの家は昔、養豚のエサとして残飯を集めていました。おばあさんがリヤカーを引っ張って、近所から残飯を集めていたのです。そのリヤカーの孫さんも座っていたわけですが、「ぬるぬるして気持ち悪かった。それでも(祖母は)がんばっていたのです。私もがんばって・・・」と、声を詰まらせながら語ってくれました。

 私が思うに、孫さんの今日の成功もあの時の祖母や父母の苦労のおかげだと、自然に感謝の気持ちが込み上げてきたのではないでしょうか。どんな時でも冷静に効果を計算している経営者のイメージではなく、その前に血の通った人間であることを図らずも示したわけです。

 「冷静な頭に温かい心」という言葉がありますが、こうした心意気で何事にもこの先取り組んでいただきたいと思っています。

(出所:樋口廣太郎「つきあい好きが道を開く」)

 

  そんな孫さんの姿を想像すると、論語が問う孝道を大切にされているなと感じます。仁に通ずる温かい心があるからこそ、幅広い人脈があり、そして、何より国を大切にする気持ちになっていくのでしょうか。

 

 わかり易い言葉で伝えようとすることが、時として、過激な言葉のように受け取られてしまうということなのかもしれません。 

 

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