「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

万博中止を求める大阪の市民団体、阪神優勝パレードの運営を批判する教職員労組

 国内外問わず、毎日驚くような出来事が生じています。不確実で変化の激しい時代といいますが、そう実感するばかりです。その変化の波を上手に乗りこなせていけばよいのでしょうが、どうにもその波に乗り遅れていそうです。

 内閣府が発表した2023年7- 9月期のGDP 実質国内総生産速報値が年率換算で▲2.1%だったといいます。マイナス成長は3四半期ぶりのことのようです。内需・外需ともに総崩れの状況で、内需の弱さは深刻といいます。

実質GDP7─9月期は3期ぶりマイナス成長、賃金低迷が消費を圧迫 | ロイター

インフレ高進による実質賃金の低迷で、特に個人消費が弱いという。厚生労働省が公表した9月の毎月勤労統計によると、実質賃金は前年比2.4%低下し、18カ月連続の減少だった。(出所:共同通信

 

 

 かなり深刻な状況のようです。専門家の言葉を借りなくても、その深刻さを実感します。それが数字になってもあられただけでしょうか。

 この苦しい状況の改善が社会の切実なニーズなっていそうです。その理由が、政府や企業側にあることは火を見るよりも明らかなことなのでしょうが、より良くしていこうとの強い意志が政府や企業側に見られません。個人として、この苦しい状況下で消費を伸ばせといわれても、限界があるのではないでしょうか。

万博批判

 万博批判が拡がっているようです。大阪市の市民団体「どないする大阪の未来ネット」が、万博開催中止を求める約9万人分の署名を、日本国際博覧会協会と万博推進局に提出したそうです。 

万博中止求め、9万人の署名提出 「湯水のごとく公金使う」 | 共同通信

 税金を湯水のように使うイベントを、こんな時期に行う意義があるのかとの主張はよく理解できます。それでも万博を擁護する論客たちは自己主張を続けています。そこに、これまでの政治の問題を見るような気がします。

 開催を推進するのであれば、批判を論破しようと試みるのではなく、批判を受け入れてより良い方向を模索、協力すればいいのでしょう。論破して人気回復というスタイルはもう古臭く、これまで通りでは、ますます落ちぶれていくことになっていきそうです。

優勝パレード

 阪神タイガースの優勝パレードの運営費をクラウドファンディングで賄おうと、吉村大阪府知事が呼び掛けたことに、教職員の労働組合が反発しているそうです。

阪神とオリックスの優勝パレード、教職員労組がクラファン「周知」に反発…大阪府文書は「寄付要請のよう」 : 読売新聞

 労組は「寄付するよう促す内容とも取れる」などと文書を撤回するよう府教育委員会に申し入れたといいます。

パレードを巡っては、大阪府大阪市が来場者の誘導などを担うボランティアを職員から募っていることも労組が問題視している。(出所:読売新聞)

 これに対し、吉村知事は「寄付を要求しているわけではない」として問題はないとの考えを示しているそうです。どういう目的だったのでしょうか。熟慮もしない安易な人気取りとの政策が思わぬ反発になってしまったということでしょうか。せっかく「A.R.E」あれで盛り上がったのにもったいない話です。

 

 

論語に学ぶ

君子は義以て質と為し、礼以て之を行ない、孫以て之を出だし、信以て之を成す。君子なるかな。(「衛霊公第十五」18)

 君子 教養人は、「義」道理をもって根本とし、「礼」規範に従って実践し、「孫」謙遜して発言し、「信」誠意をもって貫く。これこそ君子 教養人と意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 徒党組んでは、小才を巡らしては人気取りのような施策ばかり。あちこちで反発、批判の声があがるということは、よりよい社会から遠ざかっていることの証なのでしょう。もうこりごりです。謙虚で誠実な政治が求められているのでしょう。

 

 昭和の大スターの高峰秀子さんの逸話。

周囲が何でも言うことを聞いてくれ、本人も全能感を持ってワガママに振る舞っても不思議はありませんが、仕事場での無遅刻・無欠勤を貫き、監督の指示通りに演技し『我』を出すことはありませんでした。飾り過ぎないこと、背伸びしないことをモットーとしていました。(出所:日経BizGate)

思い通りでなくても悩まない 「絶対悲観主義」の勧め|日経BizGate

女優は文字通り人気商売です。しかし、人気は一時的なもので最後に残るのは信用。『この映画は高峰が出ているから大丈夫』と思ってもらえるように、高峰さんは仕事の根底に信用を置いていました。『引退です、なんていうのはおこがましい。そのうち誰からも必要とされなくなるんだから、煙のように消えてなくなればいい』は高峰さんの名言です。理想の仕事の終わり方と考えます。(出所:日経BizGate)

 こんな感じがいいのかもしれません。必要でなくなっている輩がまだあちこち蔓延っていそうな気がします。

 環境は常に移ろい、無常なるものです。その移ろいに合わすことができなければ生き残っていくのも厳しいのかもしれません。このままでは断崖絶壁に追い詰められ、そこから転落してかねません。一刻も早く身を引くいて欲しいものです。