高市新政権が動き始め、新たな指針や新閣僚たちの発言が報じられています。不人気な前の政権の政策を転換するのも、政権が変わったのですから、ごく自然なことなのかもしれません。
新閣僚「高市色」へ政策転換 コメ増産に慎重、メガソーラー規制強化 - 日本経済新聞
「決断と前進」、停滞する日本には必要なワードなのかもしれませんが、新しい内閣の強引な手法にちょっと危うさを感じたりします。
少数与党の自民党が、公明党との連立を解消、維新との新たな連立となりました。政治的な価値観も混在するようになり、カオス、「混沌」が生じているように見えます。路線の対立も表面化、政権基盤が盤石でない高市新政権は不確実性を抱えています。
こうした状況下で、首相のトップダウンによる政策指示や路線変更が矢継ぎ早に行われると、新たな「混乱」が生まれそうです。政策運営での一貫性が失われ、生活に直結する規制緩和などは、国民の期待や不安が入り乱れる状態になりかねません。
労働規制緩和
「働いて、働いて、働いて、早苗内閣」。「労働規制緩和」を検討するようです。「もっと働きたいと思っている人が働けるように」ということなのでしょうか、社内からより長時間働く人が評価されれば、当然他の人もそちらに流れやすくなります。
高市早苗首相、労働時間規制の緩和検討を指示 厚生労働相らに - 日本経済新聞
これまでの働き方改革で労働時間が少しずつ減っていますが、それでも世界的にはまだまだ長時間労働なのが日本です。この流れを大きく変える可能性がある政策は、企業側と労働者側の間で、対立、そして混乱を生じさせる可能性がありそうです。また、長時間労働を助長する懸念から、社会的な反発を招く可能性も指摘されるようです。
防衛費
高市首相が所信表明演説で、防衛費を2025年度中に関連経費と合わせGDP 国内総生産比2%水準に増額すると打ち出すようです。これまで27年度に実現させる計画を、厳しい安全保障環境を踏まえ目標達成を前倒しさせるそうです。
防衛費GDP2%水準へ増額、25年度中に前倒し 所信表明原案 - 日本経済新聞
愛読書の「坂の上の雲」にでも着想を得たのでしょうか。司馬遼太郎が描いた明治維新後の近代国家として歩み始めた日本をダブらせているようにも見えます。「まことに小さな国」だった日本が、「坂の上の雲」、まだ見ぬ、手の届かない目標や夢を見つめ、近代化という困難な坂道を懸命に登り、ついには日露戦争という大国ロシアとの決戦に挑み、辛くも勝利を収めるまでの道のりを物語は描いています。
当時の日本は、希望に満ちており、人々は未来への明るい展望を信じていました。しかし、その先に待ち受けていたのは、ロシア帝国の南下政策との衝突であり、国の存亡をかけた大きな戦争でした。物語は、日本海海戦での劇的な勝利をもってクライマックスを迎えます。
「バルチック艦隊が日本海海戦で速度が遅かった理由が船底に貝殻を付着させていたことが印象的で、科学技術の重要性を感じた」と、高市首相はこの本の印象を語っています。
防衛力強化は必要なのかもしれませんが、物語の秋山真之のように、単なる作戦立案者にとどまらず、戦史の研究に基づいた戦術と、それを実現するための兵器刷新を図るような戦略性、論理性があってもよさそうな気がします。
陸上自衛隊「ドローン迎撃」実用化へ アメリカで初訓練、高効率の技術も模索 - 日本経済新聞
ウクライナ紛争やガザ紛争、これらの紛争は、テクノロジーの進化が戦争の様相を急速に変化させていること、そして、それに国際法や倫理規範の議論が追いついていない現状を示しているといわれているのですから。
論語でまとめ
子貢曰く、「君子も亦(また)悪(にく)むこと有りや」と。子曰く、「悪むこと有り。人の悪を称する者を悪む。下流に居て上を訕(そし)る者を悪む。勇にして礼無き者を悪む。果敢にして窒(ふさ)がる者を悪む」と。曰く、「賜(し)よ、亦悪むこと有りや」と。悪む、徼(かたり)て以て知と為す者。悪む、不孫にして以て勇と為す者。悪む、訐(けつ)にして以て直と為す者。(「陽貨第十七」21)
弟子の子貢が「君子もまた憎むことがあるのでしょうか?」といいました。孔子は「憎むことがある。他人の「悪」欠点を言いふらす者。身分が下でありながら、上の立場にある人を中傷する者。勇気はあるが、礼儀を知らない者。決断力はあるが、融通がきかず道理に暗い者」。「賜よ、憎むことがある。他者の意見を盗みとって自分の独創とする者、自分の傲慢な行動を勇敢と思っている者、他者の秘密を暴露して正直としている者、こういう連中を」と孔子はいいました。
君子の行動規範を示す孔子の言葉です。社会の秩序や人間関係を損なう行為を戒めるべきと示唆しています。決断力は重要な資質ですが、社会の調和を乱す悪しき行いを正しく見抜くことが大切なのでしょう。
トランプさんが来日します。高市さんは防衛力強化策や防衛費の増額、反撃能力を高める施策について説明するようです。
高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」…5日後にトランプ氏が来日 : 読売新聞
急ぎ過ぎるのはどうなのでしょうか。混乱が深まっていきそうです。「敏なれば則ち功あり」、勤勉で物事をてきぱきと行えば、必ず功績があがるといいますが、適切に処理、処置しなければなりません。「急いては事を仕損じる」ともいいます。「焦って物事を進めようとすると、かえって失敗する」という意味のことわざです。 焦る気持ちからつい行動が雑になったり、見落としが生じたりするといいます。計画や準備が必要なことは、焦らず慎重に進めるべきです。新政権は今、そういうステージにあるのではないでしょうか。
(今日の中国の歌です。台湾のシンガーソングライターの順子さんの代表曲である「回家(Go Home)」。 1997年リリース。先にマレーシアペナンに赴任した先輩がカラオケでこの曲を薦めてくれました。順子さんの伸びやかな歌声とソウルフルな歌唱が驚いたものです。)
「参考文書」
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