「日本企業の業績がさえない.....」、7-9月期の決算状況が芳しくなく、力強さに欠け、今後への期待を高める内容ではなかったといいます。改革期待で値を上げてきた日本の株式ですが、期待を裏切る結果となっているようです。
決算不振、日本株が一段と冷え込むリスク-予想未達は過去3年で最多 - Bloomberg
悪さ加減がピークに達し、あとは改善あるのみ、全体的によき方向に進んでいくのかと思っていましたが、まだまだ悪化の可能性もありそうです。全部がダメダメということではないのでしょうが
深刻そうな日産自動車
ゴーン改革で立ち直ったはずの日産自動車が再び経営危機に陥ったようです。米国市場での販売不振や中国でのEV戦略の失敗などで利益が9割も減少したといいます。
「暴動起きるんじゃないの」日産自動車「利益9割減」「9000人リストラ」でも社長は「年俸3億円死守」の不条理 | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]
自動車業界が激変期を迎えている中で日産の商品開発スピードなどが劣後しているのは「否定できない事実」。(出所:ブルームバーグ
新車を発売するしないは別として、研究開発自体の劣後や戦略ミスが商品開発に悪影響を与えているのであれば致命的かもしれません。
下方修正
企業業績の下方修正の発表も相次いでいます。円高であったり、中国の景気停滞、欧米での事業環境悪化が要因になっているといいます。またトランプ2.0による関税の発動、自民党が少数与党に転落したことによる国内政治の不安定化リスクが株価にも悪影響する事態だといいます。
業績不振の企業を見れば、ガバナンス、マネジメントの問題といってもよさそうです。本質部分が軽んじられ、枝葉のテクニックにおぼれたがゆえのことでしょうか。露見した数々の不祥事や不正、企業経営の失敗など有用な情報も活かせていないともいえそうです。
相も変わらず窮地に陥ると構造改革。流行りの「DX」に「GX」、「CX」、「X」が意味する変革どころではありません。不断に改革する意識が欠如していたのでしょう。
進まない経営改善
家電大手のシャープは中間連結決算で2年ぶりに黒字となったといいます。しかしまだ行き先が定まらずに苦しい状況が続きそうです。楽天Gは17四半期ぶりに営業黒字を確保したようですが、純損益は17四半期連続の赤字のままといいます。
楽天G、第3四半期744億円の純損失-モバイル改善も黒字遠く - Bloomberg
経営のスピードが全然上がらないようです。 なぜこうものろまなのでしょうか。提供している商品やサービスが古ぼけて、社会の求めているものと乖離しているからなのでしょうか。それともその良さをきちんと伝えることができていからなのかもしれません。きちんと社会に向き合えていそうにありません。
論語に学ぶ
君子は周して比せず。小人は比して周せず。(「為政第二」14)
君子は公平であって偏らない。小人は仲間贔屓があって、利害で取り入ると孔子はいいました。
もしかして日本の経営者は小人ばかりなのかもしれません。経営の才はうわべのものでそれなりなものなのでしょう。それなのに出世の階段は上手に登れる、えせエリート、えせインテリというところでしょうか。
倒産ドミノ
「世界のFUNAI」と呼ばれた電機メーカ船井電機が破綻、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けました。給料日の前日に従業員約500人全員が一斉に解雇されるなど世間を騒がす事態になっています。
船井電機破産、不可解な資金の流れ 出版社が買収後3年半、347億円の現預金ほぼ枯渇 - 産経ニュース
この破綻は、秀和システムホールディングスによるTOB 株式公開買付によって非上場化されたことの影響ではないかといわれているようです。TOB後の経営戦略の失敗なのかか、企業の資産を吸い上げるのが目的だった「吸血型M&A」なのか判然としないといいます。事実解明され、適正に処置されるべきのように思いますが、どうなっていくのでしょうか。
大手企業だけではなく、街中においても倒産が止まらなくなっているといいます。飲食業の倒産が過去最多となり、ラーメン店に焼き肉店、居酒屋、バーなどが苦戦しているそうです。歯科医院や介護事業者も過去最多のペース倒産し、美容室や学習塾など、業種や地域を問わず拡大、まるで倒産ドミノの様相で、今年度上半期の企業倒産件数は5000件を超えたといいます。
企業倒産10年ぶり5000件超 4〜9月、物価上昇が新陳代謝迫る - 日本経済新聞
コスト上昇分を販売価格に転嫁できずに破綻する企業が多く、人手や後継者不足なども要因になっているといいます。もうちょっと経営努力があれば違う展開もあるのではないでしょうか。こうした事象に対処する情報がごまんとあふれているのですから。
国や金融機関の支援が厚くなり、空前の起業・創業ブームが起きているそうです。昨年の起業数は15万社を超えるほどといいます。
雑なITスタートアップの量産を避けよ、技術力よりもビジネス基礎力を鍛えなさい | 日経クロステック(xTECH)
チャレンジする人が増え、スタートアップ企業も増加傾向にあるといいます。しかし、「雑なスタートアップ」が増殖しているそうです。
技術力が高く、かつスピーディーに行動し、次から次に降ってくるタスクをさばきつつ、発生した問題はすぐに解決する。ITスタートアップ企業(あるいは非ITであっても技術部門の人たち)の瞬発力と行動力たるや素晴らしい。その半面、「仕事のさばき方が雑」「コミュニケーションの仕方が雑」「マネジメントそのものが雑」のような光景を目にすることがある。(出所:日経クロステック)
真実なのであれば、由々しき事態です。これでは顧客も従業員にとっても不幸なことです。成長産業と期待される業界でこんなことが横行するようになれば、大変なことになりそうです。スタートアップが次の倒産ドミノを引き起こし、不幸な人をさらに増殖させていくのではないかと心配になります。
米国では、「経済はまず企業によってつくられる」というそうです。米企業はイノベーション 技術革新に巨額の資金を投じ、生産性の向上へ多額の資金を費やす傾向があるそうです。日本にもこうしたスピリットが広まり定着すればよさそうなものですが、少々厳しそうです。何か決定的に欠けているものもありそうです。
色々基礎から学び直せば気づきを得て、わかることがあるのかもしれません。しかし、いかがわしい情報ばかりに気をとられ惑わされ、学ぶべきことを学べていないだけのような気もします。
「参考文書」
日産経営危機再燃、山積課題に相次ぐ判断ミス-経営責任問う声も - Bloomberg
日産株が午後急騰、エフィッシモ系のファンドが大株主に浮上 - Bloomberg
キヤノン・セイコーエプソン…OA5社の通期予想、下方修正相次ぐ理由|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
楽天グループ決算、17四半期ぶり営業黒字 携帯事業は赤字縮小 - 日本経済新聞
シャープ、純利益4.6倍 株売却、構造改革で―9月中間:時事ドットコム
[新連載]トヨタ・小林製薬、頻発する不正と過失 「失敗生かせぬ経営」:日経ビジネス電子版