「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

「働き損」と感じる国民、政府は半導体産業にポンと10兆円

 たいへんな時代になりました。ありがたいことにみなが長生きできるようになって長寿社会が出来上がり、人生100年時代の到来などといわれます。一方で少子化が進んで、社会保障制度は危機的状況に陥って、人生のリスクが強調され、将来不安が一向に解消されません。端的に言って政治の問題なのでしょうが、その尻拭いは国民に押しつけられて損な役割をしなければならない人を大量に生み出し続けています。

 

 

 自民党少数与党に転落したことで。これまで見えなかったものがようやくよく見えるようになったのではないでしょうか。現在のへんてこりんな社会が出来上がってしまったのも、優先的に解決されるべき問題が後ろ倒しにし、どうでもいいようなことを優先したがためのこといってもよさそうです。それなのにまだ自民党は目覚めずに、足元の課題に振り回されるばかりのようです。政権維持のためには必要なことなのでしょうが、それではあまり変わることはなさそうな気がします。

 さしあたっては、政治改革、103万円の壁問題、トランプ対策が足元の課題なのでしょうか。石破さんの腕の見せ所です。何も一人で背負うのではなく、せっかくの内閣、チームで対応すれば難なく切り抜けられそうなものです。各大臣がジョブ型雇用の様に働いてきちんと成果を出せばよさそうなものです。しかし、そうなりそうにもなく、歯がゆくてなりません。

103万円の壁

 103万円の壁で、なぜ財源が問題になるのでしょうか。防衛費増額では意図も容易く増税し広く負担を求めたのですから、それと同じ論理で進めればよさそうなものです。お金が不足だというのなら、一般家庭と同じようにやり繰りすればいいことです。削るものを削って今必要なものを優先する。それでいいはずです。膨大な防衛費が今必要なのか、半導体への10兆円の追加出費も同様です。

ラピダス支援を念頭に政府は10兆円の半導体・AI支援を決定:安易な支援がむしろ事業失敗のリスクを高め、国民負担増とならないよう慎重な対応が求められる|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

 もっともらしい言い訳はいくらでも作れます。論理があってもそれがベストかはまた違うような気もします。なぜこの費用を103万円の壁の財源に回すことができないのでしょうか。口では「国民政党」といいますが、どうにも怪しそうです。

 

 

論語に学ぶ

篤く信じて学を好み、死を守りて道を善くし、危邦(きほう)には入らず、乱邦(らんぽう)には居(お)らず。天下 道有らば、則ち見(あら)われ、道無くんば則ち隠る。邦に道有りて、貧にして且つ賤(いや)しきは、恥なり。邦に道無くして、富み且つ貴きは、恥なり。(「泰伯第八」13)

  かたく人の道を信じ、学問を好み、死に至ろうと正しい道を守って貫き、危機に瀕した国には足を踏み入れず、無秩序に陥っている国にはとどまらない。世の中が人の道を履んでいるならば、そこで働き、人の道にはずれているならば退いて暮らす。国に人の道が行われているとき、貧賤であるのは恥である。国に人の道が行われていないとき、富貴であるのは恥であると孔子はいいました。 

dsupplying.hatenadiary.jp

 今の日本を眺めれば、危機に瀕した国のように見えたりします。孔子の言葉を借りれば、国も世の中も道を外した危邦・乱邦ということなのでしょう。

「汚れた政治からおカネを引き出して利益をあげる」、こうした行為を孔子は嫌い、それは恥だといいます。もしかして今の日本はそこら中が恥だらけになっていそうです。

 

 

 相変わらず企業の不祥事・不正が収まりません。東京電力中部電力が出資する国内最大の発電会社JERAが、卸電力市場で相場操縦を行ったとして国から業務改善勧告を受けたそうです。

JERA、電力の卸価格つり上げ 相場操縦で改善勧告―取引監視委:時事ドットコム

 卸市場に電力を供給する余力があったにもかかわらず、発電を行わず取引価格をつり上げていたそうです。ひどい話です。これでは電力価格が下がるはずもありません。

再エネ賦課金

 今注目の国民民主が電力価格の引き下げのため再エネ賦課金の一時停止を求めています。これに対し、武藤経済産業相がこれを停止しても、別の国民負担が生じるとの考えを示したそうです。

再エネ賦課金停止でも国民負担 国民民主政策巡り経産相 - 日本経済新聞

 理由がよくわかりません。政策を見直しさえすればいいだけのことではないでしょうか。国民に負担を求めるのではなく、お金があるところに負担を求めれば済むことのように思えます。企業の内部留保(利益剰余金)は2023年度末に初めて600兆円を超えたそうです。企業業績が好調で12年連続で過去最高を更新したといいます。

企業の内部留保、600兆円 12年連続で過去最高―投資や人件費、活用に課題・23年度末:時事ドットコム

 一方で、設備投資や人件費の伸びは小さく、積み上がった内部留保の活用が課題といいます。あるところにあるようです。しかし、これでは「死に金」同然です。企業、政府が協力してお金が足りないところに投資して上手に運用できるようにすればよいのではないでしょうか。個人資産2000兆円についても同じことがいえそうです。

 

 

「働き損」というおかしな言葉があります。収入によって税金や社会保険料の負担が増え、手取り額が減ることをいいます。おかしな制度に、信用できない社会保険に。それに加え、税金の使われ方。そんなものがあるから働いても損すると感じるのではないでしょうか。税金、社会保険料が信用されていない証なのでしょう。

 色々な実態が明らかになればなるほど、自民党は企業やお金持ちにやさしく国民に冷たいとの印象が強くなります。言葉ばかりの「国民政党」、もううんざりです。

 

 

「参考文書」

103万円の壁ポイント解説(4)178万円案、財源課題 国民民主「消費活発に」 - 日本経済新聞

年収の壁、専業主婦優遇が発端 就労ゆがめぬ税制に 論説委員 柳瀬 和央 - 日本経済新聞

<社説>膨らむ内部留保 社会への還元が足りぬ:東京新聞 TOKYO Web