株主総会シーズンを迎え、アクティビスト 物言う株主の動きが活発化、上場企業との攻防が激しさを増しているそうです。英投資ファンドのパリサー・キャピタルは京成電鉄に対し、保有する東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(OLC)の株式の一部売却を提案しているといいます。
北越コーポに社長解任、京成にディズニー株売却を提案 物言う株主と企業の攻防激化 - 産経ニュース
ガバナンス(企業統治)が弱く、業績が標準以下なら説明責任を問わないといけない。レベルの低いマネジメントを続けさせてはいけない。(出所:産経新聞)
香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントは、株式を保有する製紙大手の北越コーポレーションなどの経営姿勢について批判し、北越コーポには資本提携する大王製紙と相乗効果が生み出せていないとして、岸本社長の解任を求めているといいます。
「アクティビスト」物言う株主というと、かつて流行った「ハゲタカファンド」がイメージされ、何となくよからぬ存在かと思いがちですですが、趣が異なってきているのでしょうか。主張していることは結構まともで、逆にそれに反対意見を述べる経営陣の方が邪道ではないかと思えたりします。
「まったくシナジー 相乗効果がない」、京成電鉄に対し、保有するOLC株の一部売却を提案している英投資ファンドのパリサー・キャピタルはそう指摘し、その売却益で、運賃値下げや沿線開発などに振り向け、企業価値向上に努めるよう求めているそうです。
これに対し、京成電鉄は「短期的な売却自体を目的化している」と批判し、真っ向から対立しているといいます。
優れた事業ポートフォリオ、資産ポートフォリオを持ちながら一方で、企業価値評価が低ければ、経営に問題があると指摘されてもしかたありません。改革できれば価値が向上し、利益が上がるポテンシャルが高ければ、アプローチがあって当然なのでしょう。その上、割安に投資できるのであればなおさらです。
どちらがほんとうにすべてのステークホルダーためになっているのでしょうか。経営陣は改革を拒み保守的で、一方、ファンド側はステークホルダーに便益還元するために変革を求める.....
株主の要望に応えるのはもちろんのこと、社会に貢献してこそ企業の存在価値です。賃上げもそこに含まれるものなのでしょう。それらを実現するためには永続的に利益を創出していかねばなりませんし、その成果が上がっていれば企業価値が下がろうはずもありません。
論語に学ぶ
季康子(きこうし)問えらく、民をして敬、忠にして以て勧めしむには、之を如何せん、と。子曰わく、之に臨むに荘(そう)を以てすれば、則(すなわ)ち敬せん。孝慈(こうじ)もてすれば、則ち忠ならん。善を挙げて不能を教うれば、則ち勧めしめん、と。(「為政第二」20)
魯を実効支配する季康子が「人民が「敬」「忠」を持つように勧めたいのだが、どうすればよいのか」と問いました。孔子は「人民の前で、「荘」厳かにすることです。そうすれば民は敬います。孝を実践し、民を慈しむことです。そうなれば、民は まごころをこめて、よくつとめを果たすようになります。善人を登用し、不善者に教えることです。そうあれば、善行をするようになります」と答えました。
民にあれこれと望むのではなく、まずは権力者が自ら自助せよということでしょうか。そうできないから乱れ、衰退するということでしょうか。
裏金事件に揺れる国会がいよいよ終盤となり、政府自民党への風当たりがますます強まっているようです。政治資金規正法改正にあたっては、新たな抜け道作りになっているのではないかと野党が追及、批判しています。
維新、参院では一転して反対へ 規正法改正案 問責決議案も検討 | 毎日新聞
見え透いた嘘、約束の反故、そうしたことが平然とまかり通るようであれば、誰も信用しなくなってあたり前のなのでしょうし、秩序が崩壊していくのもわかるような気がします。
昨今の政治や不正まみれの企業を見ていると、リーダー選びに間違いがあるように思えてなりません。権力者、上に立つ者が善人とまでいかなくとも、人格者であれば展開は異なるものになっていたのではないでしょうか。日本衰退の真因がここにあるのかもしれません。
「参考文書」
ディズニー株売却迫る英ファンド「京成電鉄は株式トレーダーではない」:日経ビジネス電子版
キーエンス、平均年収2067万円 3年連続2000万円超え - 日本経済新聞
野田元総理が自民党の改革案を“遅すぎる上に小粒すぎる”と指摘 政治資金規正法改正の議論大詰め 与野党攻防は最終局面へ | TBS NEWS DIG