子夏(しか)曰わく、君子 三変(さんぺん)有り。之を望めば儼然(げんぜん)たり。之に即(つ)くや温か。其の言を聴くや厲(はげ)し。(「子張第十九」9)
(解説)
子夏の言葉。「君子 教養人には、三つの姿がある。遠くから見ると威厳がある。接してみると温和である。話してみると厳正である」。(「論語」加地伸行)
師匠である孔子は子夏にとっては理想的な姿ということなのだろう。
「子は温(なご)やかにして厲(はげ)し。威ありて猛からず。恭(つつし)むあるも安し」。(「述而第七」37)
東洋における人間の理想型がここにあると桑原武夫はいう。
「子夏」、姓は卜(ぼく)、名は商。孔子より44歳若く、孔子学団の年少グループ中の有力者。文学にすぐれた、つまり最高の文献学者だったという。孔子晩年の弟子。孔門十哲の一人。後に魏の文侯に招かれ、その師となる。
「関連文書」
(参考文献)