「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【子路 君に事うることを問う】 Vol.356

 

子路(しろ) 君に事(つか)うることを問う。子曰わく、欺くこと勿(な)れ。而(しか)して之を犯(いさ)めよ、と(「憲問第十四」22)

 

  (解説)

「主君にはどのようにして仕えるのでしょうか」と子路が質問した。孔子は答えた。「だましてはならない。そして、諫めることだ」と。論語 加地伸行

 

子路」、もとは遊侠の徒で、孔子にからみに来て論破され、心服して門に入ったという。率直勇敢な情熱家で、孔子に愛されたという。

 そんな子路からは、「任侠」という言葉を想像する。

「任侠」、弱い者を助け強い者をくじき、義のためならば命も惜しまないといった気性に富むこと。おとこ気。

史記」の著者司馬遷は、世間の人々が游侠の志を知らず、チンピラのように見下すのは悲しいことだという(参考:Wikipedia )。

 

 孔子が生きた春秋時代に「任侠」という言葉が生まれたという。もしかしたら、この二人の問答の影響もあったのだろうか。 

 

 

 臣は君に事うるに忠を以てす。 (「八佾第三」19)

「忠」、まごころには、騙さず、諫めるということも含まれるということであろうか。 

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子路」、姓は仲、名は由、字名が子路孔子の弟子で、孔子より9歳年少。孔門では年かさの弟子。

大国の軍政のきりもりを任せられる人材と桑原はいう。子路は晩年、衛の国に仕えるが、内乱に巻き込まれ殺される。彼が死んだとき、孔子は「天われを祝(た)てり」と嘆いたという伝説があるという。「祝」は「断」と同じ。 

 顔回(顔淵)とともに「論語」の二大脇役。 

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 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

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  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫