「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【是れ其の不可を知りて之を為す者か】 Vol.372

 

子路(しろ)、石門(せきもん)に宿る。晨門(しんもん)曰わく、奚(いず)れ自(よ)りす、と。子路曰わく、孔氏自りす。曰わく、是れ其の不可を知りて之を為す者か、と。(「憲問第十四」38)

 

(解説)

子路が石門近くで泊まった。朝の門番が「どこから来たか」と問うた。子路が「孔子のところから」と答えたところ、門番がこう言った。「とてもできない話であることを知りながら、それでもまだするあの者のところからか」と。論語 加地伸行

 

 「晨」は早朝で、「晨門」は麻の門番のこと。 

 

 

 

 内容はともあれ、門番と子路の会話という設定が楽しい。 

 

子路」、姓は仲、名は由、字名が子路孔子の弟子で、孔子より9歳年少。孔門では年かさの弟子。顔回(顔淵)とともに「論語」の二大脇役。

もとは遊侠の徒で、孔子にからみに来て論破され、心服して門に入ったという。率直勇敢な情熱家で、孔子に愛された。大国の軍政のきりもりを任せられる人材と桑原はいう。子路は晩年、衛の国に仕えるが、内乱に巻き込まれ殺される。彼が死んだとき、孔子は「天われを祝(た)てり」と嘆いたという伝説があるという。「祝」は「断」と同じ。

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 「関連文書」 

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 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

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  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫