子路(しろ) 政(まつりごと)を問う。子曰わく、之に先んじ、これを労す。益(ま)さんことを請う。曰わく、倦(う)む無かれ、と。(「子路第十三」1)
(解説)
子路が政治とは何でしょうかと質問したところ、孔子はこういった。「先頭に立って働くことよ」と。もう少し詳しく説明をお願いしたところ、孔子はこう言った。「続けること」と。(論語 加地伸行)
子路の性格を考慮しての問答であろうか。できていること、できていないことを簡潔明瞭に伝えたのかもしれない。
「子路」、本名は仲由、子路は字名。顔回(顔淵)とともに「論語」の二大脇役と桑原はいう。子路は晩年、衛の国に仕えるが、内乱に巻き込まれ殺される。
「之に先んじ、これを労す」
「述而第七」10で、「三軍を行らば、則ち誰と与にせん」と尋ねる子路に、孔子は、こうたしなめた。
「暴虎馮河し、死して悔ゆる無き者は、吾 与にせず。必ずや、事に臨んで懼れ、謀を好んで而して成す者たれ、と」
「倦む無かれ」
子路、勇ましさはあったのかもしれないが、慎重さや忍耐にかけるところがあったのだろうか
しかし、孔子はこうした子路の性格、人柄を愛していたのかもしれない。
(参考文献)