「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

投資詐欺広告、怒る著名人、不正を許すSNS事業者、放置される問題

 SNS上で前沢友作氏など著名人になりすました偽広告による投資詐欺被害が広がっています。この問題についてメタ社は声明を発表しましたが、これに前沢友作氏は強く反発しています。

“なりすまし詐欺広告”に対するMetaの声明に前澤友作さんら怒り心頭 「行政処分を出すべき」 - ITmedia NEWS

「日本政府はMeta社に対して、広告配信業務停止の行政処分を出すべき」と、強い不満をあらわにしたそうです。

 詐欺広告の根絶のためには「社会全体のアプローチ」が必要とするMeta社の主張も理解できないものではありませんが、まずは目先の問題をつぶす姿勢をみせる必要もありそうです。

 

 

 インターネットにSNS、その便利なツールが悪用されるケースは増え、それによって生じる不利益や被害も拡大しているようです。問題は放置され、対応は遅れるばかりです。

情報流出のLINEヤフーに指導 2度目、再発防止策不十分と判断 | 共同通信

 マスコミにおいても、倫理に関わる問題が露見しました。小林製薬の紅麹問題を巡って、読売新聞大阪本社社会部主任が、談話を捏造していたことが分かったそうです。

読売新聞記者が談話捏造 紅麹関連記事巡り:時事ドットコム

 不祥事や不正が後を絶ちません。なぜ倫理や道徳が軽んじられるになったのでしょうか。

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子張(しちょう) 徳を崇(たか)くし惑いを弁(わか)つを問う。子曰わく、忠信を主とし、義に徒(うつ)るは、徳を崇くするなり。之を愛しては其の生を欲し、これを悪んでは其の死を欲す。既に其の生を欲して、又た其の死を欲するは、是れ惑いなり。(「顔淵第十二」10)

 弟子の子張が人格を高め、迷いをどう分別すべきかと質問しました。孔子は「まごころを尽くすこと(忠)、言ったことは必ず守ること(信)、正しさをもとめてそれを行うこと(義)、そのようにすれば人格を高めることができる。また、ある人を愛すると、その人が長生きできるようにと願う。ところが、その人を憎むとなれば、早く死ねばいいのにと願う。前には生きてと、今は死ねと、ころころ変わる。これが惑いというものだ」といいました。

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 人格を磨かず、徳を高めることもなく、迷っては過ちを犯すのが人なのでしょう。

 超情報化社会となり、清濁併せ様々な情報が飛び交います。それらを鵜呑みすることなく正しく判断することが求められます。美徳、美意識を育まなければ、それらに流されてしまうのでしょう。そうして知らず知らずのうちに悪に手を染めることになったりしそうです。

 

 

 政治も相変わらずです。裏金事件が尾を引き、政治改革の議論が永遠と続いています。自民党は骨抜きにするかのようなことをいい始めます。ズルする奴が得することを許すようなものです。当然、野党は反発します。問題解決は進まず、時間ばかりが費やされ、やるべきことがどんどん後回しになっていきます。時間をかけ議論すべきことも議論されずに多数決で決するという乱暴なことも増え、政治が粗雑になっています。 

共同親権」の衆議院における法案採決にあたって 自民党の野田元少子化担当相が反対したといいます。

共同親権、自民・野田聖子氏が反対:時事ドットコム

「子どものための法案だったのが、政党間のけんかみたいになっていて、賛成しかねるという思いに駆られた」と説明し、また、法案については「党全体としての議論をほとんどやっていない状態だ。中身が周知されていない」と指摘したともいいます。

 政治が仕事をしていないようです。これでは社会が良くなるはずもありません。まして、より良くしていこうとの雰囲気が醸成されることもなさそうです。

 政治においても、倫理や道徳の意義が問われているのでしょう。

 

「参考文書」

Meta、「著名人なりすまし詐欺広告」で声明--根絶には「社会全体のアプローチが重要」 - CNET Japan

前沢友作氏らになりすまし投資詐欺広告、メタに2300万円の賠償提訴へ…「被害予見できた」 : 読売新聞

伊藤忠、双日が一斉退会!日本風力発電協会の窮地 「洋上風力」の推進役が空中分解のおそれも | 特集 | 東洋経済オンライン

 

止まらない円安、いびつな国際収支、デジタル赤字とOpenAIの日本進出

 円安が一体どこまで進むことになるのでしょうか。予測されていた155円に肉薄しています。早くも市場関係者の中からは160円、170円という声も聞かれるようになってきたようです。海外勢にすれば、どこまで進もうがお構いなしなのかもしれません。

1ドル=160円に備える為替トレーダー、介入リスクお構いなし - Bloomberg

 神田財務官が、「あらゆる事態に常日頃から備えている」と述べ、当局が危機感を持って為替相場を監視していると市場に警告していましたが、単なる口先介入と受け止められてしまっているのでしょうか。

 行き過ぎれば、経済への影響は大きく、暮らしにも甚大なものとなりそうですが、政府には動けない事情もありそうです。

 

 

 こうした事態に危機感を強めたのでしょうか、神田財務官が財務省内に国際収支に関する私的な懇談会を立ち上げ、「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋」を議論するようです。

貿易から投資、稼ぐ構造変化の処方箋議論へ勉強会立ち上げ-政府 - Bloomberg

近年の貿易収支は赤字基調で「サービス収支ではデジタル分野や研究開発関連といった先進分野で赤字が拡大」するなど、国際収支から見える日本の課題に言及。これを放置すれば「将来大変なことになるという危機感が共有化される中、それぞれの分野においての問題や解決策を幅広く議論する」。(出所:ブルームバーグ

  昨今ではインバウンド消費の回復で外貨を稼げますが、一方で、デジタル分野は競争力が弱く、デジタル化が進むほど赤字が積み上がりサービス収支が赤字になる構図となっているそうです。

 日本経済の構造が変化している中、制約要因を洗い出し、成長機会を見いだす狙いがあるようです。過度な円安の流れから抜け出るきっかけを作って欲しいものです。この懇談会には学者や名だたるエコノミストが参加しているようです。

 

 

 そんな中、東京オフィスを開設したOpen AIが本格的にに事業を始めたといいます。日本語に最適化したGPT-4ベースのカスタムモデルを企業向けなどに提供するそうです。

OpenAIの「GPT-4」、日本語最適化で処理速度3倍 国産AIの脅威に - 日本経済新聞

 日本語の処理能力は前モデル比で最大3倍速くなるといいます。国産AIの日本勢にとっては手ごわい競合相手となるといいます。日本語による使い勝手の向上に取り組む企業と今後連携を図る可能性もあるようです。

 この他にも、日本政府が進める生成AIの開発や活用にあたってのルールづくりについて、事業者の立場から協力していく考えを示し、日本拠点にロビイングの機能を持たせる予定だといいます。既に日本の政策担当者とも対話を始めているようです。今後の行方が気になります。

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子張(しちょう) 明(めい)を問う。子曰わく、浸潤(しんじゅん)の譖(しん)、膚受(ふじゅ)の愬(そ)、行なわれざる、明と謂う可きのみ。浸潤の譖、膚受の愬、行なわれざる、遠と謂う可きのみ、と。(「顔淵第十二」6)

 子張が明とは何でしょうかと質問しました。孔子は「水がしみこむように伝える非難、皮膚に感じられるように伝える訴えがあっても、その嘘を見破る。それを明ということができる。同じくその嘘を退ける。それを遠識ということができるといいました。

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 数多くの日本企業が生成AIに関わるようになっています。NTT、NECKDDIに、ソフトバンク楽天など、これらが競合になるのでしょうか。サイバーエージェントなども独自に開発しています。それ以外の新興勢の飛躍があってもいいのかもしれません。

 さて、この競争はどんな結末を迎えることになるのでしょうか。誰が勝ち残ることになるのでしょうか。いずれにせよ、「デジタル赤字」が圧縮され、円安抑止につながり、また日本がデジタル後進国から抜け出る確かなものにして欲しいものです。各社に優れた見識、そして戦略が求められていそうです。

 

 

「参考文書」

1ドル155円が視野に:当局はG20を控えて為替介入を見合わせているか|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

パウエルFRB議長、利下げ開始の先延ばし示唆-インフレ根強く - Bloomberg

経済産業省・財務省の珍しき共鳴 国際収支に危機感 牛込俊介 - 日本経済新聞

生成AIのChatGPTを開発した米OpenAI 東京に新拠点を設立 日本での事業強化方針 | NHK | 生成AI・人工知能

止まらない円安、拡大する賃金格差、進む日本離れ

 互いに理解、信じあうことができれば対立なぞ消滅するはずなのに、何かが邪魔しては人は衝突する。それぞれが取った行動を正当化し、それが成功した認識するという微妙なところで、今のところ最悪は避けることできているそうです。

中東戦争の回避、外交努力の焦点に-イランとイスラエル直接対決受け - Bloomberg

 世界には善も悪もなく、あるのは思い込みだけ。それが度を超え極端になると衝突し、無慈悲な結末を迎え、後悔することになるのでしょうか。これ以上中東情勢が悪化していないことを願うばかりです。

 

 

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司馬牛(しばぎゅう)、憂えて曰わく、人皆兄弟あり、我独(ひと)り亡し、と。商 之を聞けり。死生(しせい)は命(めい)有り、富貴(ふうき)は天に在り、と。君子敬して失うこと無く、人と恭々(うやうや)しくして礼有らば、四海の内、皆兄弟為(た)り。君子何ぞ兄弟無きを患(うれ)えん、と。(「顔淵第十二」5)

 弟子の司馬牛が落ち込んで、「世の中の人には、みな兄弟がいるのに、私にはいない」といいました。子夏が「私はこう学んだ。死ぬも生きるもすべて運命であり、財産も地位も天命のままだ。君子 教養人たる者、自重して失礼がなく、他者に対しては謙遜して礼を重んじているならば、世の中の人々がみな自分の兄弟のようなものになる。実の兄弟がないからといって、どうして落ち込むのだ」と慰めました。

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 無慈悲な結末にも抗わず、運命として受け入れるしかない。しかし、立場の違いを知って、それを尊重し合うようになれば、衝突も対立もなくなる。そこにはもう善も悪もない。謙遜、尊重、美徳を追求し人格を高めた君子になって、それもかなうということなのでしょうか。

 

 

絶望や無力感に苛まれてしまうような今の時代だからこそ、美しいものは慰めとして、切に求められているのかもしれない。美しさに触れる湯治のような時間を持つことで、ふたたび現実を生きていくだけの力を得られることだってあるだろう。(引用:『小さな声の向こうに』 はじめに 全文公開 塩谷舞)

差別、戦争、虐殺──人の心を失った者たちの愚行は止むこともなく、平和への願いは今日も虚しく踏みつけられている。この国の中でも権力者たちによる理不尽は大きな顔で横行し、SNSでは極論と極論が泥を撒き散らしながらぶつかり合っている。私たちがいま生きている現実は、そういう薄汚い場所だ。(引用:『小さな声の向こうに』 はじめに 全文公開 塩谷舞)

 

 

日本離れ

 若者たちの日本離れが進んでいるそうです。生活の場を海外に移す人は増え、23年の海外永住者は57万人と統計開始以降で最多となっているといいます。

高賃金求め海外へ出稼ぎ、「ワーホリ」人気が示す若手人材の日本離れ - Bloomberg

 海外との賃金格差が拡大しています。今では2倍以上の開きがある国がざらだといいます。円安がさらに進行すればますます拡大していくことになりそうです。「日本がより早く成長できる環境にならないと、若者にとって魅力が戻らないかもしれない」と専門家が警鐘を鳴らしています。

これだけのことがあったのだから、何か変わるだろうと思ったが、変わらない。むしろ社会全体はひどくなっていく。どんどん悪くなるのに、そこに目をつぶっていこうとする風潮が高まっている。(出所:日本経済新聞

進む円安

 国際情勢が変われば、そのゆがみがどこにあらわれるものです。思惑で商品価格は動き、人々は警戒して原油価格や為替を見つめます。

 円安がさらに進み、いとも簡単に154円を突破しました。米経済の好調さを示すデータが示され、米国の長期金利上昇で売り圧力が高まったためといいます。

円が対ドルで約34年ぶり154円台に下落、米長期金利上昇で売り圧力 - Bloomberg

 円売り圧力が強いようです。中東情勢が緊迫化し原油価格が高騰することになれば、日本の貿易収支が悪化、さらに円安になることもありそうだといいます。

 この流れが変わることはあるのでしょうか。

 

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「参考文書」

濱口監督『悪は存在しない』が示す善の可能性 『ドライブ・マイ・カー』に続く超期待作 | 社会に斬り込む骨太シネマ | 東洋経済オンライン

「悪は存在しない」の濱口竜介監督 社会の不穏さに反応 - 日本経済新聞

日米給与格差が信じられないほどに開いてしまった、特に専門分野では (現代ビジネス)

『小さな声の向こうに』 はじめに 全文公開|塩谷舞(mai shiotani)

 

混沌とする中東、原油高騰、物価上昇の危機、機能しない政治

 イランがイスラエルに対し報復行動に出たことで、中東情勢が混沌としていくことになるのでしょうか。

 G7先進7カ国がイランの行動に対して「最も強い言葉で非難する」との首脳声明を発表し、イスラエルへの「全面的な連帯と支持」を表明しました。イランに対しては「さらなる措置を講じる用意がある」と警告したといいます。

G7首脳、イラン制裁検討 革命防衛隊を「テロ組織」提案 | 共同通信

 国際情勢も様変わりしているとつくづく感じます。米国をはじめとするG7が弱体化しているのかもしれませんが、それよりは他の国が大幅に力をつけその差が縮まり、これまでの枠組みでは制御できなくなってきたようにも見えます。

 

 

 追われる側が結束を強化し、威勢を見せつけようとしても限界がありそうです。G7という枠組み自体がもう時代遅れの古めかしい陳腐なものになったのかもしれません。

 多様なる世界を認めつつ、世界平和を成立させていく叡智が求められているのでしょう。しかしもう少し痛みを経験してからではないと世界を変えていこうとするチエは生まれないのでしょうか。

原油価格、物価上昇リスク

 とりあえず原油価格は様子見になったようですが、ホルムズ海峡の原油輸送網が混乱するとの見方から上昇基調にある相場がさらに上振れする可能性があるそうです。

原油相場に上昇観測、イランとイスラエルの対立激化でリスク見直し - Bloomberg

 欧米先進国では、沈静化してきたインフレが再燃するリスクがあるともいいます。色々事情もあるのでしょうが、もめごとを作って対立を深め、国民生活にしわ寄せを生じさせるようでは割に合わないと感じます。どうにかできないのでしょうか。

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子貢(しこう)、政を問う。子曰わく、食を足らし、兵を足らし、民 之を信ず、と。子貢曰わく、必ず已(や)むを得ずして去らば、斯(こ)の三者に於いて、何をか先きにせん、と。曰わく、兵を去らん、と。子貢曰わく、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於いて、何をか先きにせん、と。曰わく、食を去らん。古(いにしえ)自(よ)り皆死有り。民 信ずる無くんば立たず、と。(「顔淵第十二」7)

 子貢が政治を問いました。孔子は「民の生活の安定、十分な軍備、そして政権への信頼である」と答えます。すると子貢は「三者のうち、どうしても棄てなければならないとしましたならば、まずどれでしょうか」と問い、孔子は「軍備だ」と答えました。子貢はさらに「では残った二者のうち、どうしても棄てなければならないときは、どれでしょうか」と質問します。孔子は「生活だ。古来、人間はいつか必ず死ぬ。もし政治の信頼がなければ、国家も人も立ち行かないのだ」と教えました。

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 孔子の言葉が虚しく響きます。優先順位を違え、ただ混乱させるのが現代政治のようです。特に日本においてはそれが顕著になっているようです。

 

 

 政治改革を進めなければならないのでしょう。それに加えて国の抜本的な構造改革も急がれていそうです。方向転換が求められる中、遅々たる動きであれば、激動の世界から取り残され、ますます国民生活が苦しくなっていきそうです。

<社説>週のはじめに考える アベノミクスの片付け方:東京新聞 TOKYO Web

 後半国会が始まり、政治資金規正法の強化など政治改革が最大の焦点となるそうです。

 しかし、自民党は相変わらず後ろ向きのようで、企業・団体献金の禁止や「政策活動費」の廃止などについて、「政治活動に支障が出かねない」など慎重姿勢を崩していないといいます。

 相変わらず意識改革しようとの意志がないようです。改革を進める気はあるのでしょうか。その意識を変えることが求められているのです。

 もしかして「長期の安定」をいまだに標榜しているのでしょうか。これこそが遅滞など諸悪の根源なっているように思えてなりません。

「失われた30年」「新陳代謝がなく停滞する日本」に、ようやく変化の兆しが現われ、薄らぼんやりと灯りが見えてきました。しかし、変わるのに時間が掛け過ぎたということでもあるのでしょう。政治が、変化によって生じる痛みやダメージを極度に恐れ、ゆっくりと変化することを好んだ結果のような気がします。

 

「参考文書」

円安・原油高の物価シミュレーション:輸入インフレ・ショックからの経済の正常化を遅らせる要因に|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

イラン報復攻撃、原油高の懸念 輸送混乱、インフレ再燃も | 共同通信

日本経済に「失われた時代」なんかない!シリコンバレー顔負けの“舞の海戦略”企業を米教授が絶賛 | ビジネスを強くする教養 | ダイヤモンド・オンライン

 

なりします広告、蔓延する不法行為、著名人たちの訴え

 新NISAがスタートし投資ブームが到来したためでしょうか、SNS上になりすまし広告が蔓延するようになったようです。堀江貴文氏や前沢友作氏など著名人になりすまし、勉強会に招待したり、投資を呼びかけたりしているそうです。その被害額は昨年、277億9千万円に上り、警察庁ののSNS型投資詐欺の認知件数は2271件だったといいます。

前沢友作氏が米Metaを提訴へ Facebookでなりすまし投資の詐欺広告放置 自民に規制強化要請 - ITmedia NEWS

 堀江、前沢両氏はフェイスブックを運営する米メタの対応の鈍さを問題視、自民党デジタル社会推進本部などの合同勉強会に出席し、被害の実態を説明し、投資詐欺広告への規制強化を求めたそうです。

 前沢氏は米メタを提訴する考えを明らかにし、「プラットフォームへの規制は政府にしかできない。迅速にお願いしたい」と語ったといいます。

 

 

「被害が発生すると回復することが難しい」、なりすまし広告は現状、景品表示法などの法規制の対象にはならないとの見解を消費者庁が示しているといいます。詐欺被害防止のため、関係省庁と連携して注意喚起していくそうです。

 また、警察庁の担当者は詐欺罪などでの検挙について一概に答えるのは困難とし、犯罪の事実が確認されれば、積極的に摘発する考えを示しているといいます。

 明らかな不法行為に思われますが、法に抜け穴があるということなのでしょうか。進む様々なデジタル化に規制が追い付かないようにも見えます。それとも脱法行為を繰り返す自民党はこうしたことに寛容なのでしょうか。国民保護には関心がないといわれそうです。

 社会をより良いものにしたい、そう思って働きかけようにも、自民党に陳情するしかないという現実は虚し過ぎます。無理なことなのかもしれませんが、両氏が野党も巻き込んでくれれば違う展開もありそうな気もします。

論語に学ぶ

季康子(きこうし)、政を孔子に問いて曰わく、如(も)し無道を殺して、以て有道を就(な)さば、何如、と。孔子対(こた)て曰わく、子 政を為すに、焉(いずく)んぞ殺(さつ)を用いん。子 善を欲すれば、民 善なり。君子の徳は風なり、小人の徳は草なり。草 之に風を上(くわ)うれば、必らず偃(ふ)す、と。(「顔淵第十二」19)

 季康子が政治について孔子に「もし無道な連中は殺してしまって、世の中の正しい規律を完成するというのは、どうだろうか」と質問しました。孔子は「為政者であなたが、どうして殺すなどいたしますのか。あなたが善を欲すれば、人々も同じく善を求めるようになります。君子の品位は風のようなもの、小人の品位は草のようなものです。草は風が吹きますれば、草は必ず靡(なび)いて仆(たお)れます」といいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 法規制を司り社会に大きな影響を及ぼす政治家たちが、真に国民保護を願い、社会をより良きものにしようと率先していかなければならないはずなのに、そうではなく、自らの利益を優先して法の抜け道を作ることに余念がなく、それを正々堂々と実践するのですから、みなもそれでいいのだとなってしまうのでしょう。これでは社会が良くなることはなそうです。しかし、自民党議員たちはなぜこうも頑固者ばかりなのでしょうか。

 

 

 世の中が変わっていく現実を受け入れて、それに合わせ変化、アップデートさえすればいいだけなのに、そうしようとする動きを阻止し、それがあたかも悪のように一方的に決めつけるのが問題のように思えてなりません。それが社会の停滞の原因なのでしょう。批判を歓迎し、激しくやり合うこともあるのかもしれませんが、対話しその中から最善を探求するのが問題解決の近道なのですから。

 しかし、そう簡単にできないのも現実なのでしょうか。イランがイスラエルに報復を始めたようです。

イスラエルへ向かうイラン無人機撃墜、米とヨルダン 英も戦闘機発進 | ロイター

 どうすれば事態の悪化は避けられるようになるのでしょうか。

 

「参考文書」

米メタは「なめている」 堀江氏と前沢氏、なりすまし広告減らず怒り:朝日新聞デジタル

“なりすまし偽広告” 詐欺被害など未然防止へ省庁連携を | NHK | デジタルでだまされない

 

地政学的緊張、原油高騰、歴史的な円安、日本の未来

 パレスチナ ガザの状況が深刻のようです。北部では飢餓状態に陥っているといいます。紛争によって生じる悲惨な状況をまた目撃しています。

ガザ北部ですでに飢饉発生 バイデン政権高官が初めて認める | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 人間とは愚かなものだとつくづく思います。何度も何度も同じ過ちを繰り返すのですから。バイデン大統領がネタニヤフ首相を説得できれば状況も変わるのでしょうが、そうできず、もどかしいばかりです。

 

 

 イスラエルはシリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館敷地内の建物を攻撃し、イランが報復を宣言しました。イランの最高指導者ハメネイ師は「イスラエルに対し、犯した罪を後悔させる」と述べたといいます。

イスラエル、数日中のイランからの直接攻撃を警戒-関係者 - Bloomberg

 数日以内に報復行動があるようです。ドイツや英国などがイランに自制を促しているそうですが、もう誰にも止めることはできないのかもしれません。事態がさらに悪化しないことを願うだけです。

 地政学的緊張の高まりで、原油価格は上昇し、安全資産としての金への需要が高まっているそうです。金現物価格は過去最高値を更新したといいます。

歴史的円安

 かつては「有事の円買い」といわれましたが、すっかり消え失せ、今は「円弱」の時代になってしまったようです。相場は常に円安方向に振れやすく、1985年のプラザ合意以前の円安時代に戻ったと感じる人が多くいるのではないかといいます。

 政府の説明とは異なり、相場は投機的ではなく、内外長期金利差の拡大を背景にしたものとの見方が支配的で、たと為替介入が行われたとしても、円安の進行を食い止めることができない可能性が高いのではないかと専門家は指摘します。

円安もまた歴史的水準に~1ドル153円突破、どこまで行くか?~(第一生命経済研究所)

 昨年2023年4月のドル円レートは、1ドル133円台。この1年で15%も急激に円安が進みました。輸入物価は押し上げられ、この状態が続けばさらに物価上昇圧力も続いていくといいます。

 即効性のある有効打はないようです。日銀が追加利上げがすれば、円安基調が修正される可能性もあるのではないかといわれますが、株価下落圧力がかかり、総裁選再選を目論む首相による圧力も想定され、利上げがあるのは早くても10月との見方が多いようです。

 

 

 かつては貿易黒字国でそれが強みになっていましたが、構造が変わりすっかり貿易赤字が定着しました。貿易赤字が少しでも縮小できれば、円相場の変化も期待できるようです。即効性を求めるのであれば、貿易赤字の主要因のひとつである化石燃料の輸入を減らすことのできる原発再稼働ではないかといいます。しかし、それとてハードルは高く、住民理解を得ることができなければ再稼働はできません。政治への信頼が厚ければ状況は異なるのでしょうが、現状は厳しいと言わざるを得ないのではないでしょうか。

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君子は周して比せず。小人は比して周せず。(「為政第二」14)

 君子 教養人は公平であって偏らない。それに対して、小人は仲間贔屓があって、利害で取り入ると、孔子はいいました。

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「周」は「あまねし」で、平等、公平。「比」は「ならべる」で、仲間、党派。

君子とは、教養人にして知識人、さらに道徳、倫理を身につけた人格者といいます。そんな人物が政界、産業界に求められていそうです。

 

 

 人口は減り続け、未来予測は暗澹たるものばかりです。選択的夫婦別姓制度の議論は進まないのに、共同親権の審議は異例の早さで進んでいきます。その内容には批判の声も多いようです。人権にかかわる議論は偏り、改善の歩みは遅々たるものです。一方で、憲法改正議論をはじめようとしたり、首相の公約だから仕方ないのでしょうか。 

内閣支持16.6%、過去最低更新 裏金処分「軽い」5割超―時事世論調査:時事ドットコム

 また内閣支持率が過去最低を更新したそうです。裏金事件はうやむやになって闇に葬り去られそうですし、政治改革は自民党の抵抗で骨抜きになっていくのでしょうか。一体、この国の政治は何をやっているのでしょうか。政治が変われば、未来もまた大きく変わっていくのでしょう。変わることなくして、何かが良くなることなんてないのですから。

「少数派による反抗が社会を変革する....」、信じてみたい言葉です。

 

「参考文書」

金現物が最高値更新、地政学的緊張で安全資産に買い | ロイター

日本人83万人減、過去最大 総人口は13年連続マイナス | 共同通信

離婚後共同親権、衆院法務委で可決 週明けにも衆院通過の見通し | 毎日新聞

【将来推計】9年後に1世帯平均2人未満に 1人暮らし世帯増加 独居で未婚高齢者も急増へ 身寄りない高齢者も | NHK | 少子化

自民、条文案起草の協議提案 立民は難色―衆院憲法審:時事ドットコム

立民「専守防衛堅持を」 公明「中国と対話重要」―日米首脳会談:時事ドットコム

 

「米国はひとりではない。日本は米国とともにある」、身のほど知らない首相の米議会演説

「米国の最も親しい『トモダチ』として日本国民は米国と共にある」、首相が米議会の上下両院合同会議でそう演説したそうです。

「日本は米国の最も親しいトモダチ」…岸田首相、米議会の上下両院合同会議で30分以上演説 : 読売新聞

 国際秩序が脅威に直面していると指摘、米国に国際秩序の維持に関与し続けるよう求 め、日米の結束を呼びかけ、グローバル・パートナーとして日本も大きな責任を担う考えを示したといいます。

 準備された力のこもった演説だったようです。米国の国際貢献を称え、米議会の関心事であろう中国の脅威を指摘し、日本がパートナーとし、「アメリカはひとりではない。日本はアメリカとともにある」と訴えたそうです。

 

 

 首相自ら先頭に立って防衛費増額などに取り組んできたことを紹介し、日本は「第2次世界大戦の荒廃から立ち直った控えめな同盟国」から「強く、コミットした同盟国へと自らを変革してきた」と語っていました。

 戦後高度成長期を経験し、一時は米国を追い越すこともあるのではないかいわれた日本。しかし、その勢いは失せ、米国や中国に比し経済規模は大きく見劣りすようになってしました。そんな現実をわきにのけて、身の丈をわきまえず、過度なリップサービスだったようにも聞こえます。それがコミットメントとなって、この先の負担や苦役にならないか心配です。首相本人としては満足できる演説だったのでしょうけれども。

無謀さ

「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」、北朝鮮による核ミサイル開発の脅威を訴え、日米間の緊密な連携も求めたそうです。

 首相の誇大妄想的な強い恐怖心に支えられた強い危機感が行動の源泉なのでしょうか。それなりに論理はあることなのでしょうが、最善なるものなのかは甚だ疑問です。

難しい時代こそ道を誤らない周到さや慎重さが必要だ。対中抑止強化を進めるにも国民的議論が欠かせない。国会をパスして首脳会談での合意を既成事実化するような手法は禍根を残す。(出所:毎日新聞

余録:「二度とアメリカの土を踏まない… | 毎日新聞

 米国は中国との間に対立を煽りながら、首脳同士で電話会談を行ったり、財務長官を訪中させるなどの配慮を示します。対立するからこその意思疎通といいます。しかし、首相の言動には甘さがあるようです。無謀ともいえそうです。

 

 

論語に学ぶ

斉(せい)の景公(けいこう) 馬千駟(せんし)有り。死するの日、民 徳として称(ほ)むる無し。伯夷(はくい)、叔斉(しゅくせい)は首陽(しゅよう)の下(もと)に餓(う)う。民 今に到るまで之を称む。誠に富を以てせず、亦(また)祗(まさ)に異を以てす。其れ斯の謂いか。(「季氏第十六」12)

 景公は、馬四千余を有するほどの強国 斉の君主であった。しかし、その死後、だれも人格者として賞賛する者はなかった。伯夷、叔斉の兄弟は首陽山に隠れ、餓死した。人々は彼らを今に至るまで賞賛している。「人に永く賞賛されるのは実に富によるものではなくて、ふつうの人と異なるすぐれた徳行に依る」、詩句にあるこの言葉はこのことを言うのであろう」と孔子はいいました。

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「景公」、庶子が多く、世継ぎを立てることができず、また重臣の勢いが強く、死後、斉の国では内乱が起きることになったといいます。一方、伯夷、叔斉の兄弟は、周王朝の始祖武王が殷王朝を倒そうとしたとき、秩序を乱すと諫めたが聞き入れられず、その行為を恥じ、首陽山に隠れ、周王朝の下でとれた食物を食べずに餓死したといいます。

 

 

「内憂外患」、国内には心配事が多々あり、近隣諸国との間にやっかいな事態に陥り、その解決もおぼつかないのに、強国ぶるの如何なものなのでしょうか。

自民、内向きの車座対話 国民の「生の声」届かず?:時事ドットコム

「自由、民主主義、法の支配を守るのは日本の国益で、人権が抑圧された社会を私は子どもたちに残したくない」(首相の議会演説で)とは、よくいったものです。

 怪しげな団体と癒着したり、違法行為に手を染める議員、差別発言を繰り返す議員を多く抱え、首相自ら脱法行為のようなことをし、党幹部も同様なことをしでかしています。首相のその言葉とは裏腹なような社会が今ここにあり、多くの国民が辟易しています。それが支持率となって現れているのに、それを勘違いしているのか、国民から白紙の委任状を与えられたかのように外交舞台で振舞うの如何なものなのでしょうか。

 本人的にはG7広島サミット同様、今回の日米首脳会談も大成功ということなのでしょう。ご満悦の旅、本人なりにレガシー作りができたと思うのであれば、そろそろ退くことも考えてもらいたいものです。

 広島サミットのメインテーマであったはずのウクライナ問題は何一つ進展せず、かえって問題が深刻化しているようです。あれだけ盛り上げ、首相ご自慢のサミットも成果に結びついていないようです。自己満足はもうそろそろやめてもらいたいものです。

 首相の退陣こそ「後世にも残る業績」になりそうですし、「未来へ受け継がれるもの」になるような気がします。

 

「参考文書」

岸田首相 アメリカ議会で演説 “国際秩序守るため大きな責任担う” | NHK | 日米首脳会談

半導体覇権競争の行方、経済的威圧に出る米国 | TECH+(テックプラス)