互いに理解、信じあうことができれば対立なぞ消滅するはずなのに、何かが邪魔しては人は衝突する。それぞれが取った行動を正当化し、それが成功した認識するという微妙なところで、今のところ最悪は避けることできているそうです。
中東戦争の回避、外交努力の焦点に-イランとイスラエル直接対決受け - Bloomberg
世界には善も悪もなく、あるのは思い込みだけ。それが度を超え極端になると衝突し、無慈悲な結末を迎え、後悔することになるのでしょうか。これ以上中東情勢が悪化していないことを願うばかりです。
論語に学ぶ
司馬牛(しばぎゅう)、憂えて曰わく、人皆兄弟あり、我独(ひと)り亡し、と。商 之を聞けり。死生(しせい)は命(めい)有り、富貴(ふうき)は天に在り、と。君子敬して失うこと無く、人と恭々(うやうや)しくして礼有らば、四海の内、皆兄弟為(た)り。君子何ぞ兄弟無きを患(うれ)えん、と。(「顔淵第十二」5)
弟子の司馬牛が落ち込んで、「世の中の人には、みな兄弟がいるのに、私にはいない」といいました。子夏が「私はこう学んだ。死ぬも生きるもすべて運命であり、財産も地位も天命のままだ。君子 教養人たる者、自重して失礼がなく、他者に対しては謙遜して礼を重んじているならば、世の中の人々がみな自分の兄弟のようなものになる。実の兄弟がないからといって、どうして落ち込むのだ」と慰めました。
無慈悲な結末にも抗わず、運命として受け入れるしかない。しかし、立場の違いを知って、それを尊重し合うようになれば、衝突も対立もなくなる。そこにはもう善も悪もない。謙遜、尊重、美徳を追求し人格を高めた君子になって、それもかなうということなのでしょうか。
絶望や無力感に苛まれてしまうような今の時代だからこそ、美しいものは慰めとして、切に求められているのかもしれない。美しさに触れる湯治のような時間を持つことで、ふたたび現実を生きていくだけの力を得られることだってあるだろう。(引用:『小さな声の向こうに』 はじめに 全文公開 塩谷舞)
差別、戦争、虐殺──人の心を失った者たちの愚行は止むこともなく、平和への願いは今日も虚しく踏みつけられている。この国の中でも権力者たちによる理不尽は大きな顔で横行し、SNSでは極論と極論が泥を撒き散らしながらぶつかり合っている。私たちがいま生きている現実は、そういう薄汚い場所だ。(引用:『小さな声の向こうに』 はじめに 全文公開 塩谷舞)
日本離れ
若者たちの日本離れが進んでいるそうです。生活の場を海外に移す人は増え、23年の海外永住者は57万人と統計開始以降で最多となっているといいます。
高賃金求め海外へ出稼ぎ、「ワーホリ」人気が示す若手人材の日本離れ - Bloomberg
海外との賃金格差が拡大しています。今では2倍以上の開きがある国がざらだといいます。円安がさらに進行すればますます拡大していくことになりそうです。「日本がより早く成長できる環境にならないと、若者にとって魅力が戻らないかもしれない」と専門家が警鐘を鳴らしています。
☆
これだけのことがあったのだから、何か変わるだろうと思ったが、変わらない。むしろ社会全体はひどくなっていく。どんどん悪くなるのに、そこに目をつぶっていこうとする風潮が高まっている。(出所:日本経済新聞)
進む円安
国際情勢が変われば、そのゆがみがどこにあらわれるものです。思惑で商品価格は動き、人々は警戒して原油価格や為替を見つめます。
円安がさらに進み、いとも簡単に154円を突破しました。米経済の好調さを示すデータが示され、米国の長期金利上昇で売り圧力が高まったためといいます。
円が対ドルで約34年ぶり154円台に下落、米長期金利上昇で売り圧力 - Bloomberg
円売り圧力が強いようです。中東情勢が緊迫化し原油価格が高騰することになれば、日本の貿易収支が悪化、さらに円安になることもありそうだといいます。
この流れが変わることはあるのでしょうか。
「参考文書」
濱口監督『悪は存在しない』が示す善の可能性 『ドライブ・マイ・カー』に続く超期待作 | 社会に斬り込む骨太シネマ | 東洋経済オンライン
「悪は存在しない」の濱口竜介監督 社会の不穏さに反応 - 日本経済新聞
日米給与格差が信じられないほどに開いてしまった、特に専門分野では (現代ビジネス)
『小さな声の向こうに』 はじめに 全文公開|塩谷舞(mai shiotani)