イランがイスラエルに対し報復行動に出たことで、中東情勢が混沌としていくことになるのでしょうか。
G7先進7カ国がイランの行動に対して「最も強い言葉で非難する」との首脳声明を発表し、イスラエルへの「全面的な連帯と支持」を表明しました。イランに対しては「さらなる措置を講じる用意がある」と警告したといいます。
G7首脳、イラン制裁検討 革命防衛隊を「テロ組織」提案 | 共同通信
国際情勢も様変わりしているとつくづく感じます。米国をはじめとするG7が弱体化しているのかもしれませんが、それよりは他の国が大幅に力をつけその差が縮まり、これまでの枠組みでは制御できなくなってきたようにも見えます。
追われる側が結束を強化し、威勢を見せつけようとしても限界がありそうです。G7という枠組み自体がもう時代遅れの古めかしい陳腐なものになったのかもしれません。
多様なる世界を認めつつ、世界平和を成立させていく叡智が求められているのでしょう。しかしもう少し痛みを経験してからではないと世界を変えていこうとするチエは生まれないのでしょうか。
原油価格、物価上昇リスク
とりあえず原油価格は様子見になったようですが、ホルムズ海峡の原油輸送網が混乱するとの見方から上昇基調にある相場がさらに上振れする可能性があるそうです。
原油相場に上昇観測、イランとイスラエルの対立激化でリスク見直し - Bloomberg
欧米先進国では、沈静化してきたインフレが再燃するリスクがあるともいいます。色々事情もあるのでしょうが、もめごとを作って対立を深め、国民生活にしわ寄せを生じさせるようでは割に合わないと感じます。どうにかできないのでしょうか。
論語に学ぶ
子貢(しこう)、政を問う。子曰わく、食を足らし、兵を足らし、民 之を信ず、と。子貢曰わく、必ず已(や)むを得ずして去らば、斯(こ)の三者に於いて、何をか先きにせん、と。曰わく、兵を去らん、と。子貢曰わく、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於いて、何をか先きにせん、と。曰わく、食を去らん。古(いにしえ)自(よ)り皆死有り。民 信ずる無くんば立たず、と。(「顔淵第十二」7)
子貢が政治を問いました。孔子は「民の生活の安定、十分な軍備、そして政権への信頼である」と答えます。すると子貢は「三者のうち、どうしても棄てなければならないとしましたならば、まずどれでしょうか」と問い、孔子は「軍備だ」と答えました。子貢はさらに「では残った二者のうち、どうしても棄てなければならないときは、どれでしょうか」と質問します。孔子は「生活だ。古来、人間はいつか必ず死ぬ。もし政治の信頼がなければ、国家も人も立ち行かないのだ」と教えました。
孔子の言葉が虚しく響きます。優先順位を違え、ただ混乱させるのが現代政治のようです。特に日本においてはそれが顕著になっているようです。
政治改革を進めなければならないのでしょう。それに加えて国の抜本的な構造改革も急がれていそうです。方向転換が求められる中、遅々たる動きであれば、激動の世界から取り残され、ますます国民生活が苦しくなっていきそうです。
<社説>週のはじめに考える アベノミクスの片付け方:東京新聞 TOKYO Web
後半国会が始まり、政治資金規正法の強化など政治改革が最大の焦点となるそうです。
しかし、自民党は相変わらず後ろ向きのようで、企業・団体献金の禁止や「政策活動費」の廃止などについて、「政治活動に支障が出かねない」など慎重姿勢を崩していないといいます。
相変わらず意識改革しようとの意志がないようです。改革を進める気はあるのでしょうか。その意識を変えることが求められているのです。
もしかして「長期の安定」をいまだに標榜しているのでしょうか。これこそが遅滞など諸悪の根源なっているように思えてなりません。
「失われた30年」「新陳代謝がなく停滞する日本」に、ようやく変化の兆しが現われ、薄らぼんやりと灯りが見えてきました。しかし、変わるのに時間が掛け過ぎたということでもあるのでしょう。政治が、変化によって生じる痛みやダメージを極度に恐れ、ゆっくりと変化することを好んだ結果のような気がします。
「参考文書」
イラン報復攻撃、原油高の懸念 輸送混乱、インフレ再燃も | 共同通信
日本経済に「失われた時代」なんかない!シリコンバレー顔負けの“舞の海戦略”企業を米教授が絶賛 | ビジネスを強くする教養 | ダイヤモンド・オンライン