「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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「火の玉」、炎上する増税メガネ、信頼できない首相

 首相の昨夜の記者会見、党総裁を務める自党の不祥事・不正に、「火の玉」となって、自民党の体質を一新すべく、先頭に立って戦っていくと決意を表明していました。

「火だるまでは?」Xで投稿次々 首相の「火の玉となり」発言に | 毎日新聞

 首相らしさということなのかもしれません。早速、炎上となっているようです。政治の信頼回復への道は前途多難、とても険しいものになりそうです。

 

 

火の玉

「火の玉」という言葉には、激しく闘志を燃やすとの意味があります。その意で首相はこの言葉を使ったのかもしれませんが、一方で、この世に心残りがあるために、さまよい出てくるものと意味もあります。どちらの意味にしてもあまり適切でないような気もします。

信なくば立たず

信なくば立たず、国民の信頼なくして政治の安定はありえない。党全体として強い危機感を持って、一致結束した対応を図っていく」、首相の発言にはどうにも違和感を覚えるばかりです。

 今明るみになった自民党における裏金問題は、すでに「危機」を通り越しているように思えてなりません。

安倍派を強制捜査へ、収支報告書への不記載総額10億円超か…宮沢博行氏「派閥から指示あった」 : 読売新聞

「危機」とは、悪い結果を招くかも知れない、危険で不安な状態を指す言葉ですが、すでに悪い結果が露見し、時すでに遅しのように感じます。国政の中枢に不正・不祥事が蔓延っているということが危機という状態であろうはずがありません。

 言葉は適切に使うべきなのでしょう。適切に使えないから、ミスコミュニケーションが生じるのではないでしょうか。いずれにせよ、自民党には解体的出直しが求められているように思えてなりません。  

 

論語に学ぶ

子貢(しこう)、政を問う。子曰わく、食を足らし、兵を足らし、民 之を信ず、と。

子貢曰わく、必ず已(や)むを得ずして去らば、斯(こ)の三者に於いて、何をか先きにせん、と。曰わく、兵を去らん、と。子貢曰わく、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於いて、何をか先きにせん、と。曰わく、食を去らん。古(いにしえ)自(よ)り皆死有り。民 信無くんば立たず、と。(「顔淵第十二」7)

弟子の子貢が為政者の心構えを質問しました。孔子は「民の生活の安定、十分な軍備、そして政権への信頼である」と答えました。すると子貢は「三者のうち、どうしても棄てなければならないとしましたならば、まずどれでしょうか」と更問いします。孔子は「軍備だ」と答えました。子貢はさらに「では残った二者のうち、どうしても棄てなければならないときは、どれでしょうか」と質問します。

 孔子は「生活だ。古来、人間はいつか必ず死ぬ。もし為政者への信頼がなければ、国家も人も立ち行かないのだ」と教えました。 

dsupplying.hatenadiary.jp

「信なくば立たず」、首相は孔子の「民無信不立(民 信無くんば立たず)」と同じ意味で、この言葉を使ったのでしょうか。

 為政者は民から信頼を得なければならないと読むのが一般的のようです。一方で、社会は「信用」「信頼」を無くして成立しないとも読めるのでしょう。

 いずれにせよ、政治が「信用」「信頼」を崩壊させては、社会が乱れるのは必定なのでしょう。今まさに我々はそれを目撃しているのですから。

権力監視

 政治改革が避けられそうにありません。政治献金における透明性こそが喫緊の課題なのでしょう。これこそデジタル技術を駆使し、トレーサビリティを確かなものにしておく必要がありそうです。

 

 

 ここ最近になって、官房機密費などをはじめ、様々な報道があります。どこまで事実に迫っているかは不確かですが、こうした疑義を生むような行為は慎むべきなのでしょうし、こうした行為を抑止できるよう、しくみを常にアップデートしていく必要があるのでしょう。

 そのためにはマスコミによる監視が欠かせないのでしょう。それが弱くなれば、今回のような不祥事・不正が蔓延るようになっていくのかもしれません。

法の支配

 首相は「法の支配」を口癖のように語っていた時期がありましたが、ここ最近は聞くことも少なっているようです。

「法の支配」とは、専断的な国家権力の支配を排し、権力を法で拘束するという基本的原理のことをいうそうです。

 今こそ、法の支配を確立するときのように感じます。邪まな考えで横暴を働く権力者を許すことがあってはならないのでしょう。

 

 

「参考文書」

岸田首相、党の政治資金問題で14日に人事 信頼回復へ「火の玉」に | ロイター

「火の玉」と岸田首相は言うけれど… 何を聞かれても「事実を確認」「丁寧に説明」 裏金問題、具体策見えず:東京新聞 TOKYO Web