「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【浸潤の譖、膚受の愬、行なわれざる、明と謂う可きのみ】 Vol.287

 

子張(しちょう) 明(めい)を問う。子曰わく、浸潤(しんじゅん)の譖(しん)、膚受(ふじゅ)の愬(そ)、行なわれざる、明と謂う可きのみ。浸潤の譖、膚受の愬、行なわれざる、遠と謂う可きのみ、と。(「顔淵第十二」6)

 

  (解説)

子張が明(明智)とは何でしょうかと質問した。孔子はこう答えた。「水がしみこむように伝える非難、皮膚に感じられるように伝える訴えがあっても、その嘘を見破る。それを明智ということができる。同じくその嘘を退ける。それを遠識ということができる」と。論語 加地伸行

 

「譖」とはそしること。

「愬」とは訴えること。

「遠」とは遠識、優れた見識。
 

 

「子張」、姓は顓孫、名は師、字名が子張。陳の人で、孔子晩年の弟子。もっと若く秀才といわれる。「礼」の専門家。

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  子夏と議論したとき、子夏の激しい調子を批判し、孔子のゆったりと相手の意見を聞く態度を学んでいないといい、さらに、小人の議論は、自分の意見だけが正しいと言い張り、目を怒らせ、腕をむき出しにし、早口で口から涎(よだれ)がたれ、目が赤くなり、勝を得ると喜びまわる等々と言ったという。

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史記」に、「師や僻なり」とあるように、時として正統を離れる異説を好んだようであると、「子張」を桑原はそういう人物であったとみる。

 

(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫