連日、新型コロナの陽性者数が過去最多を更新し、東京では初めて1万人を超え、全国でも5万人超になったといいます。どこまで増えていくことになるのでしょうか。
終わりのはじまりか
一方、海外では「終わりに近づいているとの楽観が広がっており、それが株式市場全体に反映されている」との意見が一部では出始めているようです。
ウォール街のトレーダー、コロナ後の世界見据えて新たな賭け - Bloomberg
ブルームバーグによれば、ウェルズ・ファーゴの株式戦略責任者は「今年の言葉は正常化だ」と述べたといいます。
また、最近のハイテク株の下落を受けてのことでしょうか、「コロナ禍の勝ち組が負け組に」とも言われているようです。ハイテク株の比重が大きいナスダック100指数の月間下落率が、2008年のリーマンショック以降で最大となるペースだといいます。
米ハイテク株売り止まらず、新型コロナ禍の勝ち組銘柄が急落 - Bloomberg
その現われとでもいうのでしょうか、ネットフリックス株が21日に20%を超える大幅安になったといいます。新規会員数の見通しがウォール街の予測を大きく下回ったのが嫌気されたそうです。
アップルやマイクロソフトの決算発表が間近に迫り、その内容次第になってきているようです。
次なるものを求めはじめているのか
人は常にその次を求めたりするものなのでしょうか。
ロイターによると、米ニューヨーク市のアダムス市長が、初めての給与を暗号資産(仮想通貨)のイーサリアムとビットコインで受け取ると発表し、ニューヨーク市を「暗号資産産業の中心地」にすると表明したそうです。
また、小売り最大手の米ウォルマートはメタバース(仮想空間)で顧客に仮想商品を販売するビジネスに備え、独自の仮想通貨と複数種のNFT 非代替性トークンの発行を準備しているといいます。
ウォルマート、独自の仮想通貨とNFT発行へ-メタバースへ準備 - Bloomberg
ブルームバーグによれば、ウォルマートは昨年12月、複数の新たな商標登録を出願したそうです。家電や装飾品、玩具、スポーツ用品、日用品の仮想商品の製造販売に備える内容といいます。
論語の教え
「浸潤(しんじゅん)の譖(しん)、膚受(ふじゅ)の愬(そ)、行なわれざる、明と謂う可きのみ。浸潤の譖、膚受の愬、行なわれざる、遠と謂う可きのみ」と、「顔淵第十二」6 にあります。
「水がしみこむように伝える誹りや非難、皮膚に感じられるように伝える訴えがあっても、その嘘を見破る。それを明智ということができる。同じくその嘘を退ける。それを遠識ということができる」との意味です。
「身に切迫した災厄を訴えられ、如何にも真に迫った様な感じを受けると、熟慮する暇もなくウカウカ信じてしまう。こういう人は、人を見るの「明」があるとは言えない」と栄一はいいます。
コロナの感染拡大が繰り返され、またそれによって経済が振れるこんなときに、つい迂闊にも他者の言葉を鵜呑みにしてしまうことがあったりするものです。そのようなことを栄一が忠告しているように聞こえます。
「如何なる場合に在りても、道理に適う様に中正の立場におりさえすれば、これに誤る様な事はないものである」、これを真の明という事が出来ると栄一はいいます。
デジタル通貨
FRB 米連邦準備制度理事会が、「デジタルドル」に関する初めての報告書を公表したそうです。決済の利便性が上がるとする一方で、サイバー攻撃などのリスクも併記しているといいます。また、デジタル化への是非は示さず、検討に向けた「最初の一歩」と強調しているそうです。
デジタルドル発行、検討拡大へ 米FRB、初の報告書 | 共同通信
中国では、デジタル人民元の試験運用しており、その対抗との意味合いもあるようです。
こうした動きや取り組みは利便性を追求している現在の社会の延長なのでしょうか。唯その影で誰が次の社会で覇権を握るか、争っているようにも感じてしまいます。
「その一人が絶えず某氏に対してソロリソロリと機会ある毎に讒言を述べて、他の一人を遠廻しに悪口を言うと、始めの中は気にも止めないでいても長い中には、善良な人が悪人に思われたりするような事もある。つまり何時の間にかその讒言を信ずるようになる」と渋沢栄一はいいます。
「讒言」とは、事実を曲げたり、ありもしない事柄を作り上げたりして、その人のことを悪く言うことです。
今、孔子の説く「明」なる素養が問われていそうです。