「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

まん延防止等重点措置広がる 落ち着けない日々に ~ 炉辺閑話 #92

 

 国内の新型コロナの新規感染者の累計もついに200万人を超えました。オミクロン株の感染のスピードに驚きます。まん延防止等重点措置の適用となる自治体が増え、ニュースがまたコロナ一色になると心が落ち着きません。

国内感染、累計200万人超える 5カ月余で100万人増 [オミクロン株] [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

 目を海外に転じれば、隣国ロシアがウクライナに侵攻する気配を見せ、バイデン米大統領が、「ロシアは侵攻する」との見解を示したそうですが、「本格的な戦争」は望んでいないと述べたといいます。また、北朝鮮は相変わらずミサイルの発射実験を続けています。国際社会のパワーバランスに変化があるのでしょうか。

 

 

 米国ではバイデン大統領が不人気のようで、中間選挙に向けトランプ陣営が巻き返しを図る構えといいます。フランスでは大統領選が間近に迫り、右派が勢いづいているとそうです。

 一方、英国ではジョンソン首相が求心力を失いつつあるようで、コロナ渦最中でのパーティーへの参加などをやり玉に挙げられているといいます。

ジョンソン英首相「議会にうそ」 「どんちゃん騒ぎ」出るなと警告―元顧問証言:時事ドットコム

 JIJI.comによれば、与党保守党内で不信任投票を求める動きが広がっているといいます。

 保守党の規定では不信任投票を実施するには54人の賛同が必要といいますが、「集団提出」をもくろむグループもあるとされ、近くこの人数に達するとの見方も出ているといいます。

論語の教え

「或るひと孔子に謂いて曰わく、子 奚(なん)ぞ政を為さざる、と。子曰わく、書に云う、孝か惟(こ)れ孝、兄弟に友に、有政に施せ、と。是れ亦(また)政を為すなり。奚ぞ其れ政を為すに為さん」と、「為政第二」21 にあります。

  ある人が孔子に「貴殿はどうして政治の現場に乗り出そうとされないのか」と質問しました。この質問には皮肉の意が込められていたそうで、孔子があちらこちらで仕えるも、君主と折り合いがつかず、その理想も遂げることできずにいたことの含みがあったそうです。

 この質問に対し、孔子は怒りをみせることなく、書経「君陳」篇の語を引用して、淡然として答えたといいます。

『君陳、親に孝に、兄弟に友に、又。この心を推広して、一家の政を為す』。

君陳が親に孝に、兄弟に友なるところは、まさしくこれ、仁政である、これが一家より惹いては一国の政治に及ぶ。

dsupplying.hatenadiary.jp

 渋沢栄一は「政治家という人々は、功名利達を終生の目的とし、兎角真実が足りないようなもので、人を見さえすれば、何んでも道具として使わうことばかりを考える癖がある」といい、「道具して役に立っている間は、大にその人を尊敬するが、使うだけ使って用がなくなったとなれば、秋が来て団扇を棄てる時のように、自分の利益を計ってくれた人もたちまち棄てて顧みないものである」といいます。

 栄一は政治家の問題を指摘しましたが、最近では一般民衆も同じ傾向があるのかもしれません。政治家の質の低下しているから、見切りが早くなったのでしょうか。

 

 

 そうした皮肉がこもった質問に、孔子は「家庭の道徳が基礎であり、私は今それを大切にして生活しておりますので、どうして政治の現場に乗り出せましょうか」と答えました。

 こんな時勢ですから、まずは家庭を第一にして、その中で徳を積んでいくことが肝要なのかもしれません。それによって未来が平穏に導かれていくのでしょう。

 混乱し始めると、あちらこちらに混乱が波及しているようです。混乱に乗じた動きもありそうです。まずは落ち着きを早く取り戻して欲しいものです。