「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

西郷どん、【孝か惟れ孝、兄弟に友に、有政に施せ、是れ亦政を為すなり】 Vol.40

 

 或るひと孔子に謂いて曰わく、子 奚(なん)ぞ政を為さざる、と。子曰わく、書に云う、孝か惟(こ)れ孝、兄弟に友に、有政に施せ、と。是れ亦(また)政を為すなり。奚ぞ其れ政を為すに為さん、と。(「為政第二」21)

  

(意味)

「ある人が孔子におたずねしたことがあった。「貴殿はどうして政治の現場に乗り出そうとされないのか」と。孔子はお答えになった。「書に『孝こそ大切、兄弟仲良く、それを御政道に及ぼせ』とあります。(家庭の道徳が基礎であり、私は今それを大切にして生活しておりますので、)どうして政治の現場に乗り出せましょうか」と。」論語 加地伸行

 

 表舞台に出なくても、日々の暮らしを、丁寧に積み重ねることで、何かに貢献できることを暗示しているように思える。一方で、それが問題ある政治家への抗議行動とも読める。

 

 

 「西郷どんNHK大河ドラマ。  原作は林真理子さんで、脚本を中園ミホが書いた。そこに描かれる西郷隆盛像がこの言葉にだぶる。歴史的事実は別として、「敬天愛人」の言葉を残した隆盛を思えば、林真理子さんが描く隆盛が真実の一面を捉えていそうな気になる。

  西郷どん論語を学んだひとりであった。

 

  下野した西郷隆盛も、こんな気持ちであったのではなかろうか。

 

西郷どん! 前編 (角川文庫)

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  • 作者:林 真理子
  • 発売日: 2020/12/24
  • メディア: 文庫
 
西郷どん! 後編 (角川文庫)

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 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

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