「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

絶滅危惧種もNFTになって販売される現実、この先NFTで価値もつものは何であろうか

 

 WWF 世界自然保護基金の英国支部が、13の絶滅危惧種のNFTデジタルアートが販売中という。「Non-Fungible Animals」(NFA)と呼ばれるNFT(非​代替性トークン)だそうだ。

WWF、絶滅危惧種のアートをNFTに--現存数と同じ数だけ限定販売 - CNET Japan

1各NFAの販売数は、その種の個体数を上限とする。つまり、キタシロサイについては2つ、ジャイアントパンダについては1860個のNFAが販売される。そのほか、アムールヒョウ、コガシラネズミイルカ、リカオンなどのNFAが販売されている。(出所:c/net Japan)

 ユニークな取り組みなのだろう。そこで得られる資金が保護活動につながれば価値はありそうだ。

 

 

 米国の小売り最大手のウォルマートが、NFTによりメタバースに参入し、独自の暗号通貨を開発する方針だという。

メタバースにウォルマートが参入、今後の展開はどうなるのか | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 Forbesによれば、ウォルマートが新たな商標を米特許商標庁に申請しているという。その内容は、電子機器、家電、家具、楽器、室内装飾品、玩具、スポーツ用品、パーソナルケア用品など、多岐にわたっているそうだ。ウォルマートが仮想の製品を販売するつもりであることを示唆しているという。

 こうした動きはウォルマートに限ったことではないそうだ。ナイキ、ギャップ、アンダーアーマーアディダス、ラルフローレン等々。

どうやら、誰も取り残されたくないようだ。しかし、メタバースがどこへ向かうのか、私たちは本当にわかっているのだろうか? 『セカンドライフ』の技術的に進歩したバージョンになるのか? それとも、もっと違う何かになるのだろうか?(出所:Forbes)

ウォルマートの買い物客は、そもそも仮想世界で何を買いたいのだろうか?」

 Forbes筆者は、メタバースが示す未来について、懐疑的な見方をしているのだろうか。

論語に学ぶ

先進の礼楽に於けるは、野人なり。後進の礼楽に於けるは、君子なり。如(も)し之を用いなば、則ち吾は先進に従わん。(「先進第十一」1)

周王朝のはじめの頃の人たちの礼楽のあり方は、素朴であった。後世の人たちのそれは、華やかで整っている。もし礼楽を用いるとあらば、私は素朴なありかたに立ってみよう」と読まれる。

dsupplying.hatenadiary.jp

 加地伸行によれば、 「先進」は先輩、「後進」は後輩とする。先進は周王朝の始めの頃のことをいい、「後進」は現在となる。「野人」は未完成のさまで、「君子」は完成されたさま。

 質が文(はなやか)になってゆくのは時の流れとして普通のことであり、孔子は整美を否定しているのではなく、初心の質朴さ(飾りけがなく純真・素直なこと)を忘れるなと解すという。

 

 

 これまでも、そうであったように、新しいモノや体験を生み出しても、誰も欲しがらないということはあるのかもしれない。それで消えゆくもあるのだろうけれども、それが過程のひとつとなって次のものが誕生し、少しだけ完成に近づいていくのだろう。

ナイキのバーチャルスニーカーは、本当に筆者に必要なものなのか? ギャップは、自社のNFTを実物のフーディーとセットで売っている。そのこと自体が、未来を物語っているのかもしれない。(出所:Forbes)

 最先端とは陳腐化、価値を失っていくものだ。後から進めば、新しいものを作ることもできるが、それもいつかは廃れる。いまNFTとして売られ始めたものが本質的に価値あるものか否かは不明だが、誰かが価値あるものであるとするなら、それはこの先も取引され、それが記録として残されていくということなのだろう。