「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

演出される東アジアの緊張、解消されない不信、日中韓首脳会談

 日中韓首脳会談が4年半ぶりに開催されました。共同宣言を発表し、融和姿勢を演出しましたが、不信は残り、その溝は深いといいます。きな臭い東アジアの平和と安定の行方は視界不良のままだそうです。

融和演出、残る不信 日中韓首脳会談|北日本新聞webunプラス

 歴史問題や安全保障をめぐる摩擦が絶えない3カ国、首脳同士が対話を重ねて信頼醸成していかなけれならないはずですが、政治が問題を起こしては反発し、首脳会談が何度も途絶えることを繰り返してきました。それだけ隣国関係は難しいということなのかもしれません。

 

 

 北朝鮮、そして台湾の問題の先行きが見通せません。平和裏に問題解決されていくのが理想なのでしょうが、今の政治状況からすれば現状維持がいいところなのかもしれません。緊張を高めるような行動は慎むべきなのでしょうが、それすらもままならない状況が続きます。 

徴兵制への回顧

 ロシアの脅威にさらされるヨーロッパでは、徴兵制を再開させたり、復活を検討する動きが広がっているそうです。NATO 北大西洋条約機構の盟主でもある米国への信頼低下が背景にあるといいます。

ヨーロッパで徴兵制復活の動き、ドイツ国防相「兵役停止は誤りだった」…デンマークなどは女性も対象 : 読売新聞

ただ、兵役再開や拡大の効果に関しては、「技術的に洗練された現代の軍隊で徴集兵に何ができるのか定かではない」(英誌エコノミスト)と疑問視する声もある。(出所:読売新聞)

 デンマークは2026年から女性を徴兵対象に加えるそうです。「戦争をしたいからではなく、避けたいから再軍備するのだ」と抑止力強化の意図をデンマーク首相は強調しているといいます。

英国では、学校を卒業した全ての18歳の国民を対象に、1年間の兵役もしくは警察や医療機関などでの社会奉仕活動を義務付けるとスナク首相が表明したそうです。7月4日に行われる総選挙で与党保守党が勝利した場合、制度化を進めるといいます。

兵役復活を提案 18歳対象、総選挙勝利なら―英首相:時事ドットコム

「若者に実社会のスキルを学び、新しいことに挑戦し、地域と国に貢献する機会を与える」とスナク首相は説明したといいます。どうなのでしょうか。

 フランスではマクロン大統領が2017年の大統領選で兵役再開を公約しましたが、若者らの反発で実現の見通しは立っていないといいます。

 

 

 さて日本はどうなっていくのでしょうか。平和憲法下においては難しいのでないかと考えますが、一方で北朝鮮や中国を念頭にして防衛力強化が進められています。実際、防衛力は強化され、防衛産業を担う企業の業績は好調になっているといいます。まるで「特需」のようだともいいます。

三菱重工業や川崎重工業などに安保関連3文書「特需」 経済全体へ波及欠かせず 安全保障とeconomy - 日本経済新聞

 これまで防衛産業は、「お荷物」部門で、収益難から多くの企業が撤退したといいますが、今はそれとは異なる様相のようです。防衛産業からほかの業界や家計を含む経済全体に恩恵を広げる波及効果が重要になると記事は指摘しています。

 どうなのでしょうか。これではまるで戦時下のロシアと同じになってしまいそうな気がします。こんな論調も今の政治がもたらしているのではないでしょうか。

論語に学ぶ

子貢(しこう)問いて曰わく、一言にして以て終身 之を行なう可き者ありや、と。子曰わく、其れ恕(じょ)か。己の欲せざる所は、人に施すこと勿(なか)れ、と。(「衛霊公第十五」24)

 弟子の子貢が「生涯、行なうべきものを、一字で表せましょうか」と質問しました。孔子は「それは、恕(思いやり)だな。自分が他人から受けたくないことは、他人にもしないことだ」と答えました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 今年は世界のあちこちで選挙が行われる選挙イヤーといわれます。この重苦しい空気感を変えてくれるような卓越した人物が登場して欲しいものです。

 

 

 日本では自民党の総裁選が予定され、またそれを照準にして解散総選挙が囁かれています。裏金事件を端にした自民党の政治への不信感が頂点に達しつつあるのでしょうか、地方選でも自民党の敗北が続いています。自民党の地方組織からは党総裁である首相に対する怒りが日に日に高まってきているようです。解散総選挙を否定する声もあがり、岸田包囲網が確実に狭まっているそうです。

 もうそろそろ、テクノロジーが進化を続けるように、政治もアップデートできればよいのかもしれません。