反ユダヤ主義的な見解を助長しているとの批判を招き、謝罪に追い込まれたイーロン・マスク氏が、ニューヨーク・タイムズが開催した「ディールブック」カンファレンスに登壇、「金で私を脅迫するのか。くたばってしまえ」と過激な発言をして物議をかもしているようです。
マスク氏、下品な言葉でXの広告主罵倒-会社の息の根止める恐れ - Bloomberg
X(旧ツイッター)で反ユダヤ主義的だとされる投稿に賛同するコメントしたことをきっかけに、ウォルト・ディズニーやアップルなど大手企業がXへの広告の出稿を停止するようになったそうです。
この他にも、Airbnbやコカ・コーラ、IBM、マイクロソフトなど十数社も出稿停止し、Xは7500万ドル(約110億円)もの広告収入を失う可能性があるそうです。左派系メディア監視団体が、大手ブランドの広告がヒトラーやナチスを賛美する投稿と並んで表示されていると指摘したことも背景にあるといいます。
このカンファレンスで、「広告がなかったらXは潰れるでしょう」と問われたイーロンは、「この広告ボイコットはXを殺してしまう」と述べたそうです。しかし「地球は正しい答えを出す。広告ボイコットをする企業が正しいのか、Xが正しいのか」と答え、その是非は利用者は判断すると姿勢を示し、信頼に足ると証明するために「タップダンスは踊らない」と語ったそうです。
イーロンはフリースピーチ 言論の自由を信奉しているといわれます。そのためにTwitterを買収したともいわれています。
SNSが色々な方法で使われ、世論に大きくする現代においては、言論プラットフォームとしてどうあるべきかを問う必要もあるのではないかと思ったりします。こうした議論で何かヒントが見つかればいいのではないかと思います。
またこのカンファレンスで「世界で一番貢献している影響力のある立場のあなたはその力をどう考える?」と問われたイーロンは「実際に良い事をすること。良い事をしている印象を世間に与える事じゃない。世の中には良い事をしている印象だけを気にしてその裏ではひどいことをしている奴らがたくさんいる。Fxxk them.」と答えたといいます。
論語に学ぶ
徳有る者は、必ず言あり。言有る者は、必ずしも徳有らず。仁者は必ず勇あり。勇者必ずしも仁有らず。(「憲問第十四」4)
人格の立派な人物ならば、その言葉はきっと優れている。しかし、いいことを言う者は、必ずしも人格は立派ではない。人格者は、必ず勇気がある。しかし、勇敢な者は、必ずしも人格者ではないと意味します。
公の場での過激な言葉は控えた方がいいようには思います。「Go fxxk yourself」、苛立つ気持ちもわからない訳ではないです。
イーロン・マスク氏の影響力を大きさを感じます。EV 電気自動車のテスラを成功へと導き、スペースXでは宇宙事業を軌道に乗せています。また、サム・アルトマン氏とは袂を分かちましたが、ChatGPTのオープンAIの共同創業者です。
アルトマン氏のCEO復帰についてもこのカンファレンスで言及しています。「複雑な思いがある」と述べ、「権力のリングは腐敗し得る」と指摘したそうです。また、アルトマン氏解任の理由がAIの危険性に関係しているのであれば、世間はその理由を知るべきだと述べ、「これがささいなことだとは思わない」と語ったといいます。考えさせられます。
ガザの戦闘が再開され、激しさを増しているようです。関係各国が停戦を模索しているようですが、なかなか進展しそうにありません。
イスラエル「戦略的敗北」も、ガザ犠牲巡り警告無視なら-米国防長官 - Bloomberg
先日イーロン・マスク氏がイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と面談しました。またたびたびウクライナ問題についても言及します。
すぐに解決しそうにないこうした問題について、政治に頼るだけではなく、解決への糸口を見出そうとすることはあってもいいのかしれません。
彼がほんとうに私利私欲に囚われずに、良いことをしようとしているのであれば。
「参考文書」
マスク氏「私を脅迫するのか」“反ユダヤ”賛同への影響に反発 | NHK | アメリカ
マスク氏、反ユダヤ主義的投稿は「真実」 | The Wall Street Journal発 | ダイヤモンド・オンライン
イーロン・マスク氏、イスラエル首相と会談 破壊された農業共同体を訪問 - CNN.co.jp
右派のXユーザー、Disney+解約運動を展開 ディズニーの広告停止に反発 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)