不確実で変化の激しい、VUCAの時代だとつくづくそう感じます。人質解放の朗報も束の間、ガザでは戦闘が再開となってしまったようです。またヨーロッパの端っこでの紛争も続いています。近隣の半島では北から軍事衛星が打ち上がり、南も同様に衛星が打ち上げました。緊張がさらに高まったといいます。
ベルリンの壁崩壊後の秩序が覆り、新たな秩序へ変わりつつあるのでしょう。ただまだその行く先が見通せていないようです。この価値対立という不安定な状況が今しばらく続くのではないかといいます。
日本国内も大いに混乱しています。強大なリーダーシップがなくなった影響もあるのかもしれません。その遺物が問題となり、混乱を助長しているようにも感じます。安倍派における裏金作り疑惑、万博問題、円安に物価高、弛緩した国の財政と高い国民負担率、日銀金融政策の正常化など、この他にも賃上げや子ども政策に....と上げたらきりがありません。
パー券収入不記載、相次ぎ発覚 派閥から議員へ還流疑惑―識者「政界全体へ波及も」・政治資金:時事ドットコム
政治の乱れは、世の中の論調にも影響するのでしょうか。これまで正しいと目されていた主義主張が批判されるようになり、かつて論破王と言われた人も論破されるようにもなってきたようです。こうした風潮になれば、これまで政権寄りの発言していた人たちにも変化が生じているようです。
多すぎる選挙、財政規律緩む 新浪剛史氏が仕掛ける政治改革 - 日本経済新聞
政治改革の機運が永田町から遠のいて久しい。4月に就任した経済同友会の新浪剛史代表幹事は日本の再生には、国会や選挙のあり方を抜本的に見直し、長期的な視点で政策を議論できる環境づくりが不可欠だと説く。(出所:日本経済新聞)
政府批判がさらに増していくのかもしれません。これも自然なことなのかもしれません。
論語に学ぶ
邦に道有れば、言を危(みが)き行ないを危(みが)く。邦に道無ければ、行ないを危くも言は孫(したが)う。(「憲問第十四」3)
道理を用いて政治がなされているときは、正しい主張を、正しい実践を。もし道理を用いて政治が為されていないときは、正しい実践はするものの、主張は抑えておくのがいいと意味します。
自民党の元幹事長の石破茂氏が「記者会見」について語っています。
「嫌な質問して」と石破氏が練習した記者会見 国民への説得と反省点 [自民]:朝日新聞デジタル
「記者一人一人の後ろに国民の皆さんがいる」と語り、「メディアを自分に好意的か敵対的かで分け、味方にだけ情報を提供するといったやり方では、民主主義は成熟しないと思います」といいます。また、国会にたくさん議席をもっているから批判を無視してもいいことはなく、むしろ記者会見を通して、反対意見を持つ人々に話しかけるべきだといいます。
これまでではこうした意見も述べると逆に批判されていたのかもしれません。炎上や意図しない論争に巻き込まれるような当面の難を避けようとすれば、声を上げづらいものです。しかし、批判の声が多く上がるようになっているのであれば、変化の兆しなのかもしれません。
反対意見に声を荒げて罵倒するような行為が減り、意見の多様性を尊重し、建設的な議論が増えていって欲しいものです。
選挙の応援演説する安倍首相に「増税反対」とヤジを飛ばした男女が警察に排除されるできごとが2019年にありました。
周囲にいた4,5人の警察官がすぐさま桃井さんの身体を掴み、強引に後方へ連れ去っていく。それが警察だとわかった桃井さんは「私なんか悪いことしたの?」と聞くが、警察官は「落ち着こう、落ち着こう」と言うばかりで、法的根拠を説明しない。その後も、桃井さんは2人の女性警察官に1時間近くも付きまとわれることになる。(出所:TBS NEWS DIG)
民主主義社会にあって、こんなことがあってはならないはずです。しかし、当時はそれも許される風潮だったのでしょうか。恐ろしいことです。こんなことが繰り返されることがあってはならないのでしょう。
「参考文書」
資金力トップは西村経産相 「ポスト岸田」比較、茂木氏が2位:時事ドットコム
武見厚労相、医療界から多額献金 相次ぐ閣僚の大規模パーティー:時事ドットコム
政治資金問題、自民党で対応 安倍派疑惑、首相「説明努力を」:時事ドットコム