子曰わく、邦に道有れば、言を危(みが)き行ないを危(みが)く。邦に道無ければ、行ないを危くも言は孫(したが)う。(「憲問第十四」3)
(解説)
孔子の教え。「道理を用いて政治がなされているときは、正しい主張を、正しい実践を。もし道理を用いて政治が為されていないときは、正しい実践はするものの、主張は抑えておくのがいい」。(論語 加地伸行)
「危」とは、「厲(れい)」研ぐ、磨くとの意
「当面の難を避けて順っておけ」というのがこの章の主張であると加地は解説する。
「公冶長第五」21に登場した「甯武士(ねいぶし)」の面持ちということであろうか。
「邦に道有れば、則ち知、邦に道無ければ、則ち愚。」
コロナの感染が拡大し、緊急事態宣言が発出された。
「邦に道無ければ、行ないを危くも言は孫う」。
政の問題もありそうだが、文句をたらたら述べるよりは「当面の難を避けて順っておけ」、緊急事態宣言に従ったほうが良いということであろう。
「関連文書」
(参考文献)