「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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EVシフトで出遅れても絶好調なトヨタ、創業以来の危機に陥る経団連会長率いる住友化学

 浮かない日本経済ですが、そんな中、トヨタ自動車が上期の業績と通年での見通しを発表し、どちらも過去最高になるといいます。2024年3月期の連結業績予想は、営業利益を3兆円から4兆5000億円に引き上げたといいます。円安効果が1兆1800億円にも及ぶそうです。

トヨタの今期、最高益予想がさらに上振れ 円安や生産回復で | ロイター

 機能を向上させた車の値上げや半導体不足緩和による新車生産回復なども営業増益に寄与、原価改善を進め、一段と利益が出やすい体質になっていたといいます。

 事業環境を正しく分析して、コンサバ、保守的に事業計画を見積、万全の準備を整え、後は施策を実行して進捗をマネージしていけば、自ずと成果は上がり、環境の好転を味方にして、好成績という流れなのでしょうか。あたり前のことを当たり前にできるのがトヨタの強みといっていいのかもしれません。

 

 

「EVシフト」では市場から痛烈な批判を浴びるトヨタですが、そうした声にも真摯に耳を傾け、豊田章男氏が社長を退き、佐藤氏に代替わり、「EVシフト」を推進する姿勢を鮮明にしました。

 こうしたことがまだ完全に評価されていないようですが、それでも他社にまねできない、人財のトヨタの証のように感じます。

創業以来の危機、経団連会長率いる住友化学

 経団連会長を務める十倉氏が率いる住友化学の業績がよろしくないようです。中間連結決算で純損益が、過去最大となる763億円の赤字に転落、通期でも純損益が950億円の赤字になる見通しといいます。

住友化学、会長と社長が報酬返上 赤字転落、月額10%を5カ月間:時事ドットコム

 世界的な景気減速で石油化学製品の需要回復が遅れていることや、医薬子会社の住友ファーマが多額の損失を計上したことなどが響いての悪化のようです。

 もう少しコンサバに業績を見積、その対応を事前に講じておけばよかったということでしょうか。業績が上振れすれば評価されますが、下振れで評価されることはないのですから。

「創業以来の危機的状況だ」と岩田社長は認識を示し、業績不振を理由に、十倉会長と岩田社長が役員報酬について月額10%を11月から5カ月間自主返上するそうです。また執行役員らを含む役員への賞与も2023年度は支給しないといいます。経営責任を少しでも明確しようということでしょうか。

閣僚たちの賃上げ

 話題に上がる閣僚らの賃上げをする法案について、首相が国会答弁で、行財政改革を推進するためにすでに月給の3割を国庫返納していると強調し、この法案の見直しには言及しなかったといいます。この法案が通れば、首相で31万円程度、大臣で26万円程度の賃上げになるそうです。

岸田首相、大臣の賃上げ案に与党議員から驚きの声 「全く問題ない」「率先してやらないと」 | AERA dot. (アエラドット)

自民党公明党の政治家からは「返納しているのだから全く問題ない」「政府は賃上げを掲げているので率先してやらないといけない」といった声があがっている。(出所:AERA dot.)

 行財政改革で成果が上がらず、国庫返納を続けているのに賃上げもないような気がします。都合のよい率先垂範、責任感がまったく感じていないように見えます。与党議員の人間性、教養のなさが現れているのでしょう。

 民間の賃上げを進まないときは、国庫返納をさらに上積みすることはあるのでしょうか。そうでないと理屈が合わないような気がします。

 

 

 そんな醜い政治の世界とは裏腹に、きらりと光る人間性を発揮し、米国でも人々を魅了しているのが大谷翔平選手です。

ゴミ拾い、審判や敵方投手への態度──。大谷翔平を高みへ押し上げた「陰徳」の力 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

大谷選手のピッチ内外での言動に感化されており、「彼はお手本だ」と公言。試合前の準備から、活躍した試合後の所作まで、アメリカの若者に影響を与えている。(出所:Forbes)

 微笑ましい話です。人を惹きつけてやまない、そんな魅力ある人間性があるからこそ、メジャーリーグをも変えることができるのでしょうか。

 傲慢不遜、横柄な人柄ではメジャーリーグも大谷ルールを作ろうとも考えないのでしょう。

論語に学ぶ

君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず。(「子路第十三」23)

dsupplying.hatenadiary.jp

日本人は、犠牲になるのは弱いからではなくて、強いからこそ犠牲になれることを知っています(中略)『和して同ぜず』が日本人のめざす『和』のイメージでしょう。どこかに無理が生じそうになったら、お互いが少しずつ我慢できるところを探し、痛みを分け合い、争いに発展しないよう協力し合うのです。(出所:Forbes)

 国民との「和」を考えるのではなく、自分たちに都合のよいことはすぐに同調し、平然とうそぶく。政治家たちに教養があって、徳と人間味があれば、そんなことはできないはずです。

 日本がこんなに長く停滞を続けるのも、その徳のなさの現われというしかないように思います。

 

「参考文書」

岸田首相ら給与アップ法案、見直し言及せず すでに3割カットを強調:朝日新聞デジタル