「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

11カ月連続で3%超の物価上昇、伸びない賃金、広がる企業間格差

 7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)が、前年同月比3.1%上昇しました。電気代を含むエネルギー価格が下落したことで2カ月ぶりに上昇幅を縮小しましたが、11カ月連続で3%超となり、インフレ圧力の強さを表しているといいます。

7月の消費者物価3.1%上昇、伸び縮小も高水準続く-食品値上げで - Bloomberg

 食料品の値上げなど生活を直撃する物価の高騰が続きます。物価高になれば税収は上振れる可能性が高まりますので、政府にとっては好都合なのでしょうか。こうした状況から、専門家は、「政府は物価高対策を半年程度延長すべきでしょう」といいます。政府のどう判断するのでしょうか。

 

 

 サービス価格も前年比2.0%上昇しています。前月の1.6%上昇から伸び率が拡大したといいます。約30年ぶりの高水準の上昇率といいます。

サービス物価が30年ぶり高水準、賃上げ反映進めば日銀正常化も視野へ - Bloomberg

 食品など財価格の上昇の影響といわれます。賃上げをサービス価格に反映する動きが強まるかどうかが今後の焦点になるといいます。

 日本銀行が掲げる2%の物価目標を超える水準が続いています。日銀の金融政策が正常化に向かえば、多少なりとも円高に動くことも期待できそうですが、いずれにせよ、賃上げ、サービスの価格動向次第ということになるのでしょうか。

論語に学ぶ

君子は周して比せず。小人は比して周せず。(「為政第二」14)

 君子 教養人は公平であって偏らない。一方、小人は仲間贔屓があって、利害で取り入ると意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 このまま日銀が低金利の緩和政策が続ければ、円安による輸入物価の高騰に歯止めがかかりそうにありません。日銀が同じ目標を掲げ続けたところで、それが賃上げに効果があるとは期待できず、結局は企業の判断と努力によるところが大きいのではないでしょうか。

 

 

顕著になる企業間格差

 株式市場で、賃上げに積極的な企業の株価が好調のようです。賃上げできる企業は競争力が強い勝ち組だとの見方が投資家の間で広がっているためといいます。

株式市場も賃上げ歓迎、強い競争力のシグナルに-株価上昇が鮮明 - Bloomberg

  大手スーパーマーケットチェーンのイオンを例に挙げています。パートタイマー40万人の平均時給を7%引き上げる決定をした後、株価は3月末以降約20%上昇し、TOPIXの約12%高を上回っているそうです。

「給与水準が高い企業に優秀な人材が集まり、生産性が高まったり質の良い商品を提供できたりするようになっていく」と専門家は話しているといいます。

労働市場では人材の争奪戦になっているとし、「今年賃上げをしなかった企業が来年もまた行わないとなれば、どんどん人が辞めていくことになるのではないか」とみる。(出所:ブルームバーグ

 もうそろそろ日銀の物価目標の見直しべきではないでしょうか。その上で、課題整理をして、目標を再定義した方がよいのではないでしょうか。