「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

円安トレンド再び、伸びそうなインバウンド消費、気になる物価高

 為替市場で円が146円突破し、また円安トレンドのようです。ガソリン高騰にみられるように、物価がコストプッシュ型で影響を受けるようになるのでしょうか。

 世界的な情勢に鑑みたことのようですが、日本の金融政策の影響も大きいそうです。何ごとにおいても適正水準であればいいのですが、それを許してくれないのが現実の世界なのでしょう。

 これまで円安を好材料に好調を維持していた株式市場も軟調のようです。極度な円安を嫌う政府日銀が為替介入するのではないかと意識され、それが足かせになっているそうです。

 

 

円の独歩安

 専門家の分析では、この円安も単純なドル高の裏返しではなく、円の独歩安の状況といいます。

「どうせ円高に戻るはず」という時代遅れの発想 夏枯れ相場に進むのは、昔は円高、いま円安 | 市場観測 | 東洋経済オンライン

 かつては安全資産とされた「円」も今ではそのお株をドルに奪われているようで、円が買われる要素がなくなってきているそうです。

「安全資産としての需要」はアウトライト(単独取引)の自国通貨買いを相応に含む経常収支(≒貿易サービス収支)があってこそ成立するものであり、例えばスイスフランやユーロにはそれがある。(出所:東洋経済オンライン)

 継続は力なりとでもいうかのように、同じ政策を長く続け過ぎたのがよくなかったのかもしれません。異次元も度が過ぎれば、規律が緩み、緊張感がなくなるのでしょう。サプライズ効果で刺激された後に、もう一工夫があれば、今とは異なる現実があったのではないかと思えます。

インバウンド消費 vs 個人消費

「円安は外国人観光客による日本国内での消費(インバウンド消費)を増加させる一方、輸入物価の上昇を通じて個人消費を鈍化させる。この「功罪」を政府はどう評価するのだろうか」とロイターは問いかけます。

コラム:インバウンドと個人消費、円安で明暗 150円接近で透ける政府の本音 | ロイター

 いよいよ底なし沼に入り込んでいるようです。どうすればそこから脱することはできるのでしょうか。いずれにせよ、物価の高騰を抑制しつつ、賃上げをいかに進めるかにかかっていそうです。

 

 

論語に学ぶ

詩を誦(しょう)すること三百、之に授くるに政を以てして達せず、四方に使いして、専対(せんたい)する能(あた)わざれば、多しと雖(いえど)も亦(また)奚(なに)を以て為さんや、と。(「子路第十三」5)

 詩を三百篇も暗誦するほど知識が多くあるものに、内政を担当しても達成することが無く、外交を担当しても相手と渡り合うことができなくては、多くを暗誦しているとしても、それは取るに足らないと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 首相が訪米し、日米韓の首脳会議に参加するそうです。相変わらずテーマは安全保障といいます。それだけで十分なのかと思いますが、どうなのでしょうか。

岸田文雄首相は今月の日米韓首脳会談での実績や、その先に想定されている内閣改造をてこに低落する内閣支持率を上げ、機を見て衆院解散・総選挙に打って出るシナリオを温めているのではないか。(出所:ロイター)

 そんな首相にとって、円安によって物価高に拍車がかかる展開は「避けたい事態」だろうと記事は指摘しますが、「起死回生」的な対応策はなさそうだといいます。

 首相の本心が見透かされているのでしょう。得意なテーマは安全保障と外交で、それ以外は支持率維持の道具としてしかみていないのかもしれません。

 

 

 そんな政府の対策にみなが期待し、企業を含めてみなで様子見になっていないでしょうか。

 企業が自主性を発揮し、規律を正して、賃上げや経済を牽引していくことが期待されているのでしょうが、今のところその雰囲気は醸し出されていないようです。

 

「参考文書」

日経平均続落、終値は140円安の3万1626円 - 日本経済新聞