「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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円安傾向加速、マイナス金利解除を見越す市場、経済対策に一意専心できない首相

 円が151円台となり、円安の傾向が一段と強まっているようです。政府日銀による介入を警戒しつつも、金利差収入を狙った円売りが活発化しているとの指摘が相次いでいるそうです。

 また市場は、日銀のマイナス金利解除が早晩実行されるとの見方が支配的のようで、それを織り込んで、長期金利がどこまで上がるのかに関心を向け始めているといいます。

日銀マイナス金利「解除後」に関心強める市場、金利到達点で議論百出 - Bloomberg

 早い市場の動きに戸惑います。長く続いた金利のない世界とは違う常識を早期に身につけなければならないと感じます。

 

 

 早くもマイナス金利解除を前提とし、日銀の金利による家計への影響について語る専門家もいます。

物価2%と1.5%で天国と地獄、脱ゼロ金利が家計命運握る岐路に - Bloomberg

基調物価が1.5%程度にとどまるなら金利のある世界には入れず、ゼロ金利から脱却できない可能性があると指摘。預貯金の実質的な価値は毎年1.5%目減りし、家計は「一番悲惨」な状況に陥る。(出所:ブルームバーグ

 言っていることはわからないわけではないですが、こういう事態は避けたいものです。いずれにせよ、企業次第ということになるのでしょうか。

 ロイターの企業調査によれば、その鍵を握る企業は、マイナス金利の解除後の為替相場について、120 - 140円とやや円高に振れるとの見方をしているといいます。

11月ロイター企業調査:マイナス金利解除なら「影響」25%、やや円高を予想 | ロイター

 また、この政策変更による業績への影響は、「ある」が25%、「ない」が23%と、拮抗した結果になったといいます。今ある環境を機会にして、賃上げに加え、業績改善と好循環を生み出していけるのでしょうか。

国債発行に頼る補正予算

 政府は、経済対策の裏付けとなる2023年度の補正予算案を決めました。歳出総額13兆1992億円。8兆8000億円余りの国債を発行するそうです。23年度の新規国債発行額は当初予算とあわせ44兆円超になり、平時の水準とは言い難い状況のようです。

「金利ある世界」利払い増懸念 新規国債発行44兆円超 - 日本経済新聞

 相変わらずばらまき色が強く、予算規模も弛緩したままといいます。長期金利が上昇し始める中、規律ある財政運営からほど遠い内容のようです。

 この経済対策が効果を上げ、物価が適正水準に収まり、また賃上げが進んで実質賃金が改善していくことはあるのでしょうか。信じてよいものか否か、なかなか不安は解消されません。

 

 

論語に学ぶ

千乗の国を道(みちび)くには、事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うには時を以てす。 (「学而第一」5)

 大国の政治を担当するには、事に当たっては丁寧に扱い人民を欺くことなく、公の金品は節約を心がけて、人々の心や生活を豊かにし、人民を使うときには時宜を見計らうと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 大阪・関西万博を巡っては、750億円が今回の補正予算に計上されました。また膨れ上がった会場建設費は国も負担します。一方、万博から撤退する国もあるといいます。多額な費用がかかるだけの効果があるのかと疑問を感じます。

 国会では、税金の滞納を繰り返していた神田財務副大臣が追求を受けています。

 このまま政府のいわれるがままに前に進めて大丈夫なのかと不安ばかりが増していきます。信用して大丈夫なのでしょうか。

 そんな中、早くも首相の気持ちに変化が現れたようです。予想通りの右旋回、改憲に向かったようです。

首相、改憲で自衛隊明記に意欲 「違憲論争に終止符を打つ」:東京新聞 TOKYO Web

 懲りない人です。経済対策に「一意専心」と言っていたはずなのに....

 

「参考文書」

午後3時のドルは151円台で下げ渋り、円安圧力が支え | ロイター

神田財務副大臣の続投で「予算審議できず」 立民・泉代表:時事ドットコム