来年度の国家予算案の概算要求が一般会計で114兆円を超え過去最大になったといいます。コロナ対策が求められた2年前の111兆円も上回ったそうです。
概算要求114兆円超に 過去最大 防衛費や社会保障費が増加 | NHK | 来年度(新年度)予算
防衛費は、今年度予算を9000億円余り上回る7兆7385億円になっているといいます。また、国債の償還や利払いに必要な「国債費」について今年度予算より2兆円以上多い28兆1400億円、長期金利の上昇を踏まえてのことといいます。
これほどまでの予算規模が必要なのでしょうか。この他にも、少子化対策の強化策などは「事項要求」となっており、実質的な要求額はさらに膨らむ見込みといいます。最終的にどんな形の予算が決まることになるのでしょうか。
支出が増える一方で、財源の見込みが定まらない支出先行の財政運営になっているといいます。市場からの疑心を強める危うさがあるといいます。
財政、強まる「歳出先行型」 財源あいまいな3兄弟 - 日本経済新聞
大きな予算に、また増税との話が再燃するのでしょうか。
日本国債
日本国債の格付けは現在「A」で、米国や中国に比し、低いレベルになっています。
高齢化と人口減少が進む下で債務の拡大が続き、国・地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化が遅れる一方で、経常収支の黒字は縮小している。(出所:ブルームバーグ)
格付け評価が悪化する要素が目立っているようです。
日銀・政府の共同声明見直しを、諮問会議の中空議員-2%柔軟化議論 - Bloomberg
「日本の将来像を見ていくと格下げされていく可能性しか見えてこないが、BBBに格下げされれば、かなりの断崖絶壁に追い込まれるため、A格は死守しなければならない」と、政府の経済財政諮問会議で民間議員を務める中空麻奈氏(BNPパリバ証券グローバルマーケット統括本部副会長)が指摘しています。
そのためには、日銀は2%の物価目標を柔軟化することで金融政策運営の自由度を高め、政府は財政健全化の旗を降ろさないことが重要といいます。
今のままであれば、国債の格付けもどちらかといえば、悪化方向にあるということなのでしょう。すぐに評価を改善できなくとも、方向性を転じさせておく必要はありそうです。
論語に学ぶ
千乗の国を道(みちび)くには、事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うには時を以てす。 (「学而第一」5)
大国を導いていくには、ことにあたっては丁寧に扱い、人民を欺くことなく、公の金品は節約を心がけて、人々の心や生活を豊かにし、民を使うには時を選ぶと意味します。
危機を煽っては支出を繰り返そうとする今の政府に心がけて欲しい言葉です。今必要なものは何かをきちんと見極める目が求められているのでしょう。
断捨離
企業においては上流部門の人々が自分たちの意思決定が最前線に与える影響を考慮せずに、足し算型になりがちといいます。
顧客も喜ぶ断捨離経営 疲弊した現場が「引き算」で再生:日経ビジネス電子版
よくしていこう、事業を成長させようとするばかりに、以前の決定の上に新たな決定を積み重ねていくといいます。
人は「引き算(業務削減)」型の変化が選択肢の一つであることを見過ごしがちだ。(出所:日経ビジネス)
何をやらないか、何を止めるかを決めれば、案外とスムーズにことは流れて、生産性は向上していくのかもしれません。新たな決定が繰り返されれば、余計な仕事が増えるばかりで、それにともなってムダも増えそうです。
これは国の仕事においてもいえそうな気がします。記事ではないですが、最前線の業務を思い切って断捨離することで、官僚たちも国民も幸せになるのかもしれません。
「参考文書」
中国の「A+」格付けを維持、見通し「安定的」-フィッチ - Bloomberg