「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

増税議論、積極財政派ばかりで歳出改革は実行できるのだろうか

 

 国が次々と色々な施策を実行しようとしているようです。一律の就活日程を見直し、また、政府のGX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議では、二酸化炭素(CO2)の排出に課金して削減を促す「カーボンプライシング」の具体案が示され、「賦課金」と「排出量取引」を組み合わせる案が了承されたといいます。

二刀流のカーボンプライシング 段階的な負担増で脱炭素へ導けるか:朝日新聞デジタル

「賦課金」はCO2の排出量に応じた負担を企業に求めるもので、石炭や石油など化石燃料の輸入業者などから徴収するといいます。商品やサービスに転嫁されれば、消費者が負担することになると記事は指摘します。

 「カーボンプライシング」については、導入すべきとは思いますが、現行の税制との兼ね合いを考慮、税制自体の見直しが必要になるのではないでしょうか。消費者負担が極度に増すことのないよう計らいが求められるはずです。

 防衛費増額の問題にしろ、何かと国民を負担増はやむなしの風潮のなかで、議論が進むことに危惧を覚えます。歳出改革と同時並行で進めることはありなのかもしれませんが、いずれにせよ、歳出改革では確実な効果を出さなくてはならないはずです。この確認なくして、これ以上の国民負担は認められることはないのでしょう。

 

 

 国の2次補正予算が近く成立見込みといいます。予算案約29兆円の内、23兆円弱を国債で賄うそうです。自民党要求で歳出が一気に4兆円増えたりして、岸田首相も積極財政路線を堅持しているといいます。逆に財政規律派の議員は「絶滅危惧種」扱いで息を潜めている状態といいます。こうした状況で真に歳出改革が実行できるのでしょうか。

野田佳彦元首相が説く金融・財政改革論 党派超え令和臨調と連携: 日本経済新聞

 立憲民主党最高顧問の野田元首相が密かに「金融・財政一体改革」に向け動き出し、超党派で向き合うべき最重要課題として旗を振り始めたといいます。

財政健全化の取り組みは明快で、具体策が次々に口を突く。曖昧になった国と地方のプライマリーバランス基礎的財政収支)の25年度黒字化の目標を改めて明確にする。内閣府による成長率などの楽観的な予測を排し、国会に「独立財政機関」を新設するなどして中立的な経済財政見通しを示す。国会審議を経ない予備費の乱用を戒める。複数年度化した赤字国債発行法を毎年、国会で審議する手法に戻す――。(出所:日本経済新聞

 いずれにせよ、歳入となる税制を抜本的に見直し、時代にそぐわないものは廃し、最適化を図らねばならないのでしょう。歳出においては徹底的な削減につとめ必要最小限とし、真に必要なことへ回す配慮が求められるのでしょう。

 そのためにはこの国をどの方向に導ていくのか明確にしなければならないはずです。 それがないままに進めることは混乱の元になるばかりで、危険なことです。

 

 

論語に学ぶ

其の以(もち)うる所を視、その由(よ)る所を観、其の安んずる所を察すれば、人焉(いずく)んぞ廋(かく)さんや、人焉んぞ廋さんや。(「為政第二」10)

 その人物の現在の行動をしっかりと視て、その動機を観察する。その人物の信念や目的を察し、未来の着地点を察する。そうすれば、その人物は自分を隠すことはできない、その人物の本当の姿が分かると意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

「新しい資本主義」とは一体何なのでしょうか。首相の言葉はコロコロを変わり、その信念を掴みかねます。先の政権がやり残した課題を解決するといえば、実行力ある首相に見えるのかもしれませんが、それが動機なのでしょうか。日々高まる批判の声に、耐えかねて、闇雲に前に進めようとしているようにも見えます。

 先の政権が実現できなかったことは時宜でなかったのかもしれませんし、それを無理に押し通せば、国民の反発があるだろうと考えたのかもしれません。こうしたことを強引に推し進めれば、与党の中には喜ぶ人たちが多くのいるのでしょう。政権の安定化が動機になのでしょうか。真に国民のためになる政治はいつになったら実現するのでしょうか。

 

「参考文書」

専門人材の就活前倒し 政府検討、現在の大学1年生から: 日本経済新聞