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【デフレからの脱却】プラスに転じた需給ギャップ

 「需給ギャップ」が15四半期ぶりにプラスに転じたそうです。「需給ギャップ」とは、日本経済の潜在的な供給力と実際の需要の差を表しているといいます。政府が重視する指標のひとつで、デフレ脱却の目安にもなるそうです。

需要不足が15期ぶり解消 4〜6月推計、デフレ脱却へ半歩 - 日本経済新聞

 GDP 実質国内総生産が、外需主導で前期比年率6.0%増とプラス成長となったことが背景で、年換算で2兆円の需要超過になるそうです。

 この「需給ギャップ」がプラスになったことで、政府が目標としてきた4指標全てでプラスとなり、20年以上にわたるデフレからの脱却へ一歩前進したといいます。

 

 

内閣府が先月公表した経済財政白書では、「デフレ脱却に向けて十分とはいえない状況にある」としながらも、足元の物価や賃金上昇傾向を好機と捉え、「デフレ脱却に向けたチャンスが訪れていることを見逃してはならない」と明記していた。(出所:ブルームバーグ

 デフレ脱却が実現すればマイナス金利解除などの出口が近づくそうです。ただ実質賃金は目減りを続け、脱デフレには一定の賃金上昇が必要といいます。

 一方、外的要因でGDPは押し上げられていますが、GDPの柱である個人消費は前期比マイナスで不調で、7〜9月期の実質成長率がマイナス成長に戻れば、需給ギャップは需要不足に逆戻りする可能性があるそうです。

 賃金が伸びずに消費が冷えてしまうことは避けなければならないといいます。

 コロナ渦の時もそうでしたが、経済を冷えさせないためにも消費、それ以前からも経済を回すため、デフレからの脱却のためにも消費といわれてきたような気がします。無意識下にそうした考えが植えつけられ、賃金が上がらないのに勤しんで働き、経済のための消費をしてきたのかと思うと虚しくもなります。

論語に学ぶ

富 求む可(べ)くんば、執鞭(しつべん)の士と雖(いえど)も、吾も亦(また)之を為さん。如(も)し求む可からずんば、吾が好む所に従わん。(「述而第七」11)

 どんと儲かることができるものならば、通行者の整理のような仕事であろうと、私はそれをしよう。しかし、それによって特段儲かるような仕事でないのならば、貧乏を覚悟で自分の好きな道に没頭して暮らしたいと、孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

  孔子のいう富は、何があっても正しいと認められる富のことで、正しくない富や、道にはずれた名声であれば、いわゆる「浮き雲」のようで、すぐに消えてしまうと渋沢栄一が解説しています。

 また、まっとうな生き方によって富を得られるならば、どんな賤しい仕事についても金儲けせよという意味でもあるといいます。

 しかし、まっとうにやっているのにも関わらず富を得られないのは何かがおかしいと疑った方がよいのかもしれません。

 

 

 従順に従ってきたのに、富に関して言えば、常に期待は裏切られてきたといっていいのかもしれません。これがまっとうかといえば、そうではなく、正しいことではないような気がします。

ストライキ

 ストライキを実施し声をあげたそごう西武労組の願いも虚しく、会社は米国の投資会社に売却となりました。業績不振が理由だったようです。経営的には正しい判断なのでしょうが、今ひとつ釈然としません。

 もしかしたらもっと大きな声をあげ、要求を達成できるまでストライキを続けるべきだったのかもしれません。経営側の怠慢で業績改善ができなかったのだから。

 賃上げについても同じことがいえそうです。もっと大きな声をあげなければならないのかもしれません。経済を回そうと消費に勤しむ前に声をあげることがまっとうなことのように思います。

 

「参考文書」

需給ギャップが15四半期ぶりプラス転換、デフレ脱却へ一歩前進 - Bloomberg

物価・賃金「脱デフレへ転換点」 23年経財白書を公表 - 日本経済新聞

需給ギャップとは 潜在供給力と総需要の差 - 日本経済新聞