日々大きなニュースもなく、報道を賑わすようなことが無ければ、社会が平和で、健全な証なのでしょうが、そうはならないのが現実のようです。
ジャニーズ問題が世間を騒がせています。大企業が対応に苦慮しているといいます。
ジャニーズ起用に大企業が懸念 今後の契約方針は回答ゼロ ｜ 共同通信
ジャニーズ事務所が7日に記者会見が開くそうですが、それまでは様子見なのでしょうか。
ESG、SDGs、高貴な理念を掲げ、人権デューデリジェンスで問題に対処しても、目の前にある人権問題には二の足を踏んでしまうのが日本企業ということなのでしょうか。
毅然とした対応があってもよさそうです。そうすれば、社会に蔓延する不信の解消の一助になりそうな気がします。
メディアの沈黙
先の「外部専門家による再発防止特別チーム」による調査報告書では、「メディアの沈黙」が指摘されました。それが問題を継続させることにつながったといわれています。次の記者会見はどのように報道されることになるのでしょうか。
海外記者が見た｢日本のジャニーズ報道の異常さ｣ ｢弱きを挫き､強きを助ける｣歪みまくった構造 | メディア業界 | 東洋経済オンライン
「弱きを挫き、強きを助ける」、日本のテレビ局の幹部らは、今すぐ自分の名刺にこう刷るべきだろうと、仏フィガロ東京特派員が主張しています。
テレビ局に対して長きにわたって娯楽を提供してきたジャニー喜多川という男が、世界最悪級の連続児童性加害者の1人であったということに対して、日本のジャーナリズムはことごとく「無力」だった。（出所：東洋経済オンライン）
「今に至っても薄っぺらな反応しか示さないことで、日本のテレビ局はジャニー喜多川のような人物を守る沈黙の陰謀に加担しているのだ。ここでメディアが変われない限り、日本の芸能界が、彼のような怪物にとって理想的な遊び場であり続けることは間違いない」と手厳しく批判しています。
処理水報道
「弱きを挫き、強きを助ける」、そう思われる報道が多々あるようにも思われます。処理水問題もそのひとつなのかもしれません。
政府決定後の対応について、さかんに報道して、政府のやっている感を醸していますが、逆にそれが不信を助長しているようにも感じます。もっと政府決定の問題を追求してもよいのではないでしょうか。
誰にでも信頼されている決定であれば、何も政府がホタテを買い取る必要はないのですから。
論語に学ぶ
孰（たれ）か微生高（びせいこう）を直と謂う。或るひと醯（けい）を乞いたるに、諸（これ）を其の鄰（となり）に乞いて、之に与えたり。（「公冶長第五」24）
誰が微生高をまっすぐな人と言ったのであろう。ある人が微生高に酢を借りに来たことがあった。そのとき、無いと素直にいえばいいものを、わざわざ自分の隣の家から酢を借りてきて、その人に与えた。それをまっすぐな人と呼ぶのだろうかと読みます。
自分のところに酢がなければ隣から借りて融通してあげる、隣の家の酢を自分のもののような顔をして融通することは、立派ではないにしても、そんなに悪いことではないのかもしれない。それを「偽善」「虚栄」とするのか否か。我が家は酢がありませんというのが、正直なのかもしれないが、それでは褒められることもない。
微生高はいい人なのだろうけれども、世間では「直」まっすぐな人という。世間の見方ほどあてにならないものはないと意味するといいます。
「直」とはまっすぐであること、剛直で融通がきかぬという含みもあるといいます。
汚染水発言
福島第1原発から海洋放出が続く処理水を「汚染水」と発言した野村農水相が話題になりました。その後、手元の原稿を読み上げて謝罪、それを記者に指摘されると、「私は時々、口が滑ってしまうおそれがあるので、こうして間違わないように（紙を）読ませていただいた」と話されたそうです。
「汚染水」発言の野村農水相「時々、口が滑ってしまう」…連日の“やらかし”で資質を問う声｜日刊ゲンダイDIGITAL
大臣の「失言」が支持率に影響することもあるからでしょうか、首相が「汚染水」発言に反応、「遺憾なことであり、全面的に謝罪し撤回するよう指示した」と発言していました。
野村大臣を正直な人との揶揄する声もあるようです。単に微生高のようにいい人ではあるような感じもします。しかし、偽善を装うこともできなければ、大臣の器ではないのかもしれません。 処理水問題はまだまだ尾を引き、社会における不信も長引きそうです。
「参考文書」
野村農水相は「真実言っただけ」 中国、「汚染水」発言で皮肉：時事ドットコム
